⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
Green Day
“American Idiot” (2004)
『ドゥーキー』などという素晴らしいアルバムは大いに気に入っていたにもかかわらず、その後の米西海岸のポップ・パンク・ブームがあまりにもガキっぽいプール・パーティーみたいに思えたため、大人のわたしはちょっとかかわらないでおこうと、グリーン・デイも含めて距離を置いていたものだ。
しかしこの『アメリカン・イディオット』を聴いて、手に持ってるものを全部落っことすような衝撃を受けたとき、「ガキパンクと一緒にしててごめんな。無視しててごめんな」と心の中でグリーン・デイに謝ったものだ。
そういえば、本作から生まれたグリーン・デイ最大のヒット曲「ブールヴァード・オブ・ブロークン・ドリームス」はオアシスの「ワンダーウォール」のパクりじゃねーかと作者のノエル・ギャラガー君から指摘があったとかで話題になったものだが、まあコード進行が似てるだけのことだ。
しかし、きっと『モーニング・グローリー』は聴いていただろうなと思わせる、なんとなくアメリカらしからぬというか、全体に英国ロックからの影響が色濃く感じられるアルバムだ。
【オリジナルCD収録曲】
1 アメリカン・イディオット
2 テイルズ・オブ・アナザー・ブロークン・ホーム
3 ホリデイ
4 ブールヴァード・オブ・ブロークン・ドリームス
5 アー・ウィー・ザ・ウェイティング
6 セイント・ジミー
7 ギヴ・ミー・ノヴァカイン
8 シーズ・ア・レベル
9 エクストラオーディナリー・ガール
10 レターボム
11 ウェイク・ミー・アップ・ホウェン・セプテンバー・エンズ
12 ホームカミング
13 ワッツァーネイム
本作はグリーン・デイの7枚目のアルバムとして2004年9月にリリースされ、全米1位、全英1位、その他世界25カ国でチャート1位を獲得し、1,600万枚以上のセールスを記録した大ヒット作だ。グラミー賞では最優秀ロック・アルバム賞も受賞した。
9.11以降の混乱した国内状況から、イラクとの戦争へと突き進んだ当時のアメリカで生きる若者の疎外感やアイデンティティの喪失などをテーマにしたロック・オペラという体裁を取ったコンセプト・アルバムだ。
オアシスどころか、きっとザ・フーやキンクス、あるいはピンク・フロイドなども手本にしているに違いない。
私見ではザ・フーの『トミー』よりも良い出来だと思うし、ピンク・フロイドの『ザ・ウォール』よりも楽しめる。また、キンクスの60年代末の傑作コンセプト・アルバム群にも引けを取らないほどに楽曲が充実している。
それぐらい良くできた、素晴らしいアルバムということだ。政治色が強い内容なのに、説教臭さもなく、エンターテインメントと芸術性を両立している。
すでにあらゆることがやり尽くされた感のあるロックにおいて、まだこういうものが2000年代に生まれるということも驚きだった。
もう二度とグリーン・デイを、ただのポップ・パンクなどと安く見たりしないと心に誓ったものだった。
↓ 全米2位、全英5位とグリーン・デイ最大のヒット・シングルとなった「ブールヴァード・オブ・ブロークン・ドリームス」。グラミー賞の年間最優秀レコード賞とMTVビデオ・ミュージック・アワードの年間最優秀ビデオ賞の両方を受賞した、史上唯一の曲だ。
↓ 全米6位、全英8位のヒットとなった「ウェイク・ミー・アップ・ホウェン・セプテンバー・エンズ」。ビリー・アームストロングの個人的な体験を歌った曲。タイトルの「9月が終わったら起こして」は、ビリーが10歳のときに父親が亡くなって悲しみのあまり部屋に引きこもり、母親に放った言葉だという。
(Goro)
