
ビートルズがカバーした曲のオリジナルを発掘する企画です。
第3回目は1964年12月にリリースされた4thアルバム『ビートルズ・フォー・セール』に収録されたカバー、6曲のオリジナルを発掘します。
チャック・ベリー
Chuck Berry – Rock and Roll Music
その名も「ロック・アンド・ロール・ミュージック」という、すべてのロックの祖みたいな曲だ。ロックンロールの創造主のひとり、チャック・ベリーが1957年にチェス・レコードからリリースしたシングルで、全米8位の大ヒットとなった。
ビートルズによるカバーはジョン・レノンがリード・ヴォーカルを取っている。あらためて聴いても、その上手さというか、ハマり具合に、この人はやっぱりロックンロールの人なんだなあと思う。
1966年に日本武道館で行われたビートルズの来日公演では、この曲がオープニングを飾った。
ドクター・フィールグッド&ジ・インターズ
Dr. Feelgood & the Interns – Mr. Moonlight
この曲はロイ・リー・ジョンソンが書き、1962年にドクター・フィールグッド&ジ・インターズが最初に録音した。シングル「ドクター・フィールグッド」のB面に収録され、全米66位まで上昇した。
ドクター・フィールグッドとは、あのパブ・ロックのバンドではなくて、1911年生まれのジョージア州出身のブルースマンの名前だ。またの名をピアノ・レッドという。
ビートルズによるカバーは、ジョン・レノンがリード・ヴォーカルを担当している。この曲も以前からライヴのオープニング・ナンバーとしてよく演奏されていたという。ジョンはコードを鳴らすことなくいきなり歌い始めて、観客の注目を一気に集めたという。
リトル・ウィリー・リトルフィールド
Little Willie Littlefield – Kansas City
プロデューサーのラルフ・バスに依頼され、L.A.に住む19歳の二人の少年、ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーが、R&B歌手リトル・ウィリー・リトルフィールドのために書き下ろした作品。二人の少年はカンザス・シティを訪れたことはなかったが、ビッグ・ジョー・ターナーのレコードに触発されてこの曲を書いたという。
ビートルズがカバーしたのは、1955年にリトル・リチャードが録音したバージョンだ。さらにリトル・リチャードは原曲を大幅に作り変えたバージョンも録音し、「ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ」というタイトルで後にシングルとしてリリースした。
ビートルズがカバーしたバージョンは、リトル・リチャードが「カンザス・シティ」と「ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ」をメドレーで繋げたもの。ポール・マッカートニーがリード・ヴォーカルを取っている。
バディ・ホリー
Buddy Holly – Words of Love
ビートルズが最も敬愛したアーティストのひとり、バディ・ホリーの曲で、1957年7月にシングルとしてリリースされた。ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムをすべてホリー自身が演奏し、オーバーダビングしている。
ビートルズのバージョンはジョン・レノンとポール・マッカートニーがヴォーカルを務めている。
カール・パーキンス
Carl Perkins – Honey Don’t
エルヴィス・プレスリーやジョニー・キャッシュらと同じくテネシー州メンフィスのサン・レコードからデビューした、ロックンロール草創期の立役者のひとり、カール・パーキンスの曲。大ヒット・シングル「ブルー・スエード・シューズ」のB面に収録された。
ライヴではジョン・レノンがリード・ヴォーカルを取ってカバーしていたが、アルバムではリンゴ・スターのリード・ヴォーカルで録音されている。リンゴのカントリー風味の歌い方がよく似合う。
カール・パーキンス
Carl Perkins – Everybody’s Trying To Be My Baby
これもカール・パーキンスが1956年に発表した曲だが、原曲はカントリー・ミュージシャンのレックス・グリフィンが1930年代中頃に書いたとされている。
ビートルズのバージョンは、カール・パーキンスのファンでもあったジョージ・ハリスンが務めている。
以上、『ザ・ビートルズ・フォー・セール』に収録されているカバー・ソングのオリジナルの全発掘でした。
次回は最終回で、『ヘルプ!』と『パスト・マスターズ』からの予定です。乞うご期待。
(Goro)