ゴリゴリのハード・ロックで砂漠のドライヴ 〜クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ『ソングス・フォー・ザ・デフ』(2002)【わたしが選ぶ!ロック名盤500】#397

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【わたしが選ぶ!ロック名盤500】#397
Queens of the Stone Age
“Songs for the Deaf” (2002)

“石器時代のオカマたち”こと、米カリフォルニア州パームデザートのバンド、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジの、3rdアルバムである。

バンドのドラマーが脱退したため、メンバーはヴォーカル&ギターのジョシュ・オムと、ベースのニック・オリヴェリだけになっていた。そのためオムは本作の制作のために、以前からサポート・アクトを務めるなど親交のあったフー・ファイターズのデイヴ・グロールにドラムを叩いてくれないかと頼んだのだった。

もはや知らない人もいるかもしれないが、デイヴ・グロールは、あのニルヴァーナのドラマーだった人である。

デイヴはフー・ファイターズの4枚目のアルバムの制作中だったが、一旦制作を中止し、発売も延期して依頼に応じ、本作の全曲でドラムを叩き、さらにはその後のクイーンズのツアーにも参加した。そうまでして参加した理由は、フー・ファイターズのアルバム制作がうまく行かずに煮詰まっており、刺激が欲しかったこと、そしてクイーンズの音楽が好きだったから、ということらしい。

【オリジナルCD収録曲】

1 ユー・シンク・アイ・エイント・ワース・ア・ダラー・バット・アイ・フィー
2 ノー・ワン・ノウズ
3 ファースト・イット・ギヴス
4 ア・ソング・フォー・ザ・デッド
5 ザ・スカイ・イズ・フォーリン
6 シックス・シューター
7 ハンギン・ツリー
8 ゴー・ウィズ・ザ・フロウ
9 ゴナ・リーヴ・ユー
10 ドゥー・イット・アゲイン
11 ゴッド・イズ・オン・ザ・レディオ
12 アナザー・ラヴ・ソング
13 ア・ソング・フォー・ザ・デフ
14 モスキート・ソング

ザクザクと刻むようなリフを反復する、この時代としてはすでに希少となっていた、ゴリゴリのハード・ロックである。

しかし、ジョシュ・オムの普通の人っぽいヴォーカルは、古臭いハード・ロックの大げさな歌い方とはまったく違うし、キレの良いギターリフの反復もどこか機械のようにクールで、いかにも21世紀的である。

そしてデイヴ・グロールのドラムは、シンバルの音がやけに優しく後ろに下がり、スネアやタムタムをぶっ叩くバコバコドカドカという力強い打撃音が前面にでっかく出ている。彼のいつものプレイとはずいぶん違って聴こえるが、これはプロデューサーのエリック・ヴァレンタインの指示によるもののようだ。

ドラムの反響を抑えるために、デイヴは小さな部屋に閉じ込められてプレイさせられ、しかもいくつかの曲では「音が混ざらないために」という指示で、ドラムの「太鼓」類と「シンバル」類を別々に演奏して録音したという。デイヴは「頭がおかしくなるような作業だった」と語っている。

それでもデイヴは、「これまで自分がドラムを叩いたアルバムの中で、間違いなく一番のお気に入りだ」(Modern Drummer誌インタビュー 2001年10月)と本作を高く評価している。

本作はコンセプト・アルバムのような作りになっていて、ロサンゼルスからジョシュ・オムの故郷であるカリフォルニア州南部の砂漠地帯、ジョシュア・ツリーへのドライブをしているような構成となっている。

曲間には実在・架空を含めた様々なAMラジオのチューニング音や、DJのふざけた語りが挿入されている。そしてL.A.の商業主義的なラジオ局から、砂漠地帯へ近づくにつれてアンダーグラウンドで奇妙なローカル局へと電波が切り替わっていく様子を皮肉を交えて再現しているらしい。そのため、アルバム全体が、AMラジオから流れてくるあまりクリアではない音質を模したようなサウンドになっている。この妙に残響の少ない、ゴツゴツとした素っ気ない音が本作の魅力のひとつでもある。

本作はセールス的にも大成功し、前作が全米チャートの106位が最高位だったのに対し、本作は17位まで上昇する大ブレイクを果たした。

↓ 米オルタナチャートで1位、全英15位まで上昇したシングル「ノー・ワン・ノウズ」。デイヴ・グロールの圧巻のドラムも話題に。

Queens Of The Stone Age – No One Knows (Official Music Video)

↓ 米オルタナチャートで7位、全英21位まで上昇したシングル「ゴー・ウィズ・ザ・フロウ」。

Queens Of The Stone Age – Go With The Flow (Official Music Video)

(Goro)