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Jimmy Eat World
“Bleed American” (2001)
米アリゾナ州出身の4人組ロック・バンド、ジミー・イート・ワールドは1994年にデビューし、本作でブレイクした、エモの代表格だ。
と、サラッと書いてみたが、実のところわたしもその「エモ」とやらをよくは知らない。
知らないので調べたところによると、80年代米国のハードコア・パンクを起源にして派生したジャンルで、「エモーショナルなハードコア」を縮めて、当初は「エモコア」などと呼ばれていたらしい。パンク直径の疾走感のあるビート、情緒的で感情に訴えるメロディ、個人的な体験や心情を吐露するような歌詞が特徴ということである。
なるほど、ではブルー・ハーツの「リンダリンダ」やモンゴル800の「小さな恋のうた」なんかも「エモ」ということになるのかな、などと思ったりもした。
先日取り上げたウィーザーの『ピンカートン』あたりもエモの原型のひとつらしいけれども、2001年に本作が大ヒットするとエモ界隈は一気に活気づき、ジミー・イート・ワールドはエモの代表格となり、本アルバムはその代表作となった。
本作は2001年7月に、ジミー・イート・ワールドの4枚目のアルバムとしてリリースされた。
【オリジナルCD収録曲】
1 ブリード・アメリカン
2 ア・プレイズ・コーラス
3 ザ・ミドル
4 ユア・ハウス
5 スウィートネス
6 ヒア・ユー・ミー
7 イフ・ユー・ドント、ドント
8 ゲット・イット・ファスター
9 コーショナーズ
10 オーソリティー・ソング
11 マイ・サンダウン
耳に残るメロディと直線的で親しみやすいビート、きれいなコーラス、よく練られたアレンジと聴きやすいサウンドは、先祖がハードコアだったことなどカケラも思い出さない。パンクの庶民性はあっても、攻撃性はほとんどなく、真面目に、優等生的に、しっかり丹精込めて作られた感じだ。
デビュー以来商業的成功を得られず、1999年の3rdアルバム『クラリティ』も、批評家からは絶賛されたものの、所属レーベルのキャピトルは商業的失敗とみなし、バンドとの契約を打ち切った。
それでも彼らはバンドで活動していくことを諦めず、自分たちの貯金とツアーで稼いだ資金、そしてプロデューサーのマーク・トロンビーノによる「ギャラは後払いでいい」という男気ある協力によって、自主制作で本作のレコーディングをスタートさせたという。
本作についてベーシストのリック・バーチは、2023年のインタビューで次のように語っている。
「このアルバムを作っていたとき、僕らは6ヶ月後もバンドとして存続できているかどうかもわからなかった。レーベルもマネジメント・チームもなくて、ただスタジオに4人だけで音楽を作っていたんだ。どうやってリリースされるかも、そもそも誰かに聴いてもらえるかもわからない状態だった。だから今振り返ると、まるで誇らしい親のような気分だよ」(豪メディア『Music Feeds』のインタビュー 2023年)
エモというジャンルをよく知らなかったわたしだけれども、本作の洗練されたプロデュース・ワークやソングライティングの才能を感じる楽曲群、真摯な作りこみには感心させられ、好印象を持った。
↓ 米オルタナティヴ・チャート18位まで上昇したタイトル曲「ブリード・アメリカン」。
↓ 全米5位の大ヒットとなった代表曲「ザ・ミドル」。
(Goro)


