とってもフルシアンテ 〜レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『バイ・ザ・ウェイ』(2002)【わたしが選ぶ!ロック名盤500】#394

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【わたしが選ぶ!ロック名盤500】#394
Red Hot Chili Peppers
“By The Way” (2002)

3年前の前作『カリフォルニケイション』は、8年ぶりにジョン・フルシアンテがバンドに復帰し、彼の影響が色濃い内容で大ヒットを記録し、レッチリ復活を強烈に印象づけた。

続く8枚目のアルバムとなった本作は、前作の方向性をさらに推し進める形でジョン・フルシアンテが中心となって制作され、彼が傾倒していたビーチ・ボーイズやビートルズなどのハーモニーを念頭において、アルバムのほとんどの楽曲において、歌メロからバッキング・ヴォーカル、コード進行、さらにはベース・ラインまでを彼が提案し、制作を主導したという。

レッチリの特徴だったファンクやパンクの要素は抑えられ、豊かなメロディーとコーラスが多用されてより楽曲はポップになり、アンソニーもラップを抑えてメロディをストレートに歌うなど、そのスタイルは大きく変化した。

ジョンは本作の制作期間を「僕の人生の中で最も幸せな時間のひとつだった」と語っている。

本作はリック・ルービンのプロデュースで制作され、2002年7月にリリースされた。全米2位、全英1位、そして日本のオリコンでも総合4位を記録する世界的ヒットとなった。

【オリジナルCD収録曲】

1 バイ・ザ・ウェイ
2 ユニヴァーサリー・スピーキング
3 ディス・イズ・ザ・プレイス
4 ドースト
5 ドント・フォゲット・ミー
6 ザ・ゼファー・ソング
7 キャント・ストップ
8 アイ・クッド・ダイ・フォー・ユー
9 ミッドナイト
10 スロウ・アウェイ・ユア・テレヴィジョン
11 キャブロン
12 テアー
13 オン・マーキュリー
14 マイナー・シング
15 ウォーム・テープ
16 ヴェニス・クイーン

しかしベーシストのフリーは、少年時代からの親友だったアンソニーが、自分のいないところでジョンと二人だけで制作を進め、さらにはジョンがベースラインまでを指示するようになると、ジョンがバンドを乗っ取ろうとしていると感じ、「自分の居場所がない」と深く傷つき、本気でバンドを脱退することを考えていたと後に告白している。

思いとどまってくれて良かった。

フリーこそはレッチリのシンボルだ。ジョンのギターも大好きだけれども、フリーのあの驚愕のベースプレイがなかったらそももそもわたしはレッチリに興味を惹かれることはなかっただろう。

フリーと言えばあの、ぶっ飛んだライヴ・パフォーマンスや、ユーモラスなキャラクターが印象的だが、しかし実は紳士であり、ジャズに造詣が深く、チャールズ・ミンガスをリスペクトする一方、フェイヴァリット・アルバムはクラッシュの『サンディニスタ!』だという。2008年に46歳で南カリフォルニア大学に入学して音楽理論とトランペットを学び直したという勤勉な素顔も含め、わたしは彼という人間を心から敬愛している。

フリーとジョンは最終的に話し合いの場を持ち、和解したという。ジョンはフリーの気持ちをまったく知らず、バンドを乗っ取るつもりももちろんなかった。

フリーはまた、ジョンと一緒にヴィパッサナー瞑想(インドの伝統的な瞑想法)を実践したことが、二人の音楽的な関係を修復するのに役立ったとも語っている。

↓ 米オルタナチャート1位、そして英国では過去最高の2位と大ヒットした「バイ・ザ・ウェイ」。アンソニーは次のように語っている。「”バイ・ザ・ウェイ”は極めて過激で、非商業的な奇襲のようなものだと思っていたんだ。だから、イギリスであれほど熱狂的に受け入れられたときは驚いたし、同時にゾクゾクしたよ」

Red Hot Chili Peppers – By The Way [Official Music Video]

↓ 硬質でファンキーなギターとスラップ・ベースにラップ調のヴォーカルが乗り、ややメランコリックなコーラスがかぶさってくる「キャント・ストップ」は、レッチリならではのポップ・ソングだ。その後の多くのライヴでオープニング・ナンバーとして演奏されている。

Red Hot Chili Peppers – Can't Stop [Official Music Video]

(Goro)

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