
⭐️⭐️⭐️⭐️
Hard-Fi
“Stars of CCTV” (2005)
ジャケットの感じからして、冷たい無機的なデジタル・ミュージックもみたいなものを想像するかもしれないけれども、実際はその真逆である。
ハード・ファイは、イギリス西ロンドン郊外の冴えない町、ステインズ出身の4人組だ。
彼らが歌ったのは、低賃金労働、金欠、週末のささやかなパーティー、監視カメラ(CCTV)の視線、退屈な日常と閉塞感だった。トニー・ブレア政権下で「生活が豊かになった」とされた英国内で、取り残された郊外のリアルな叫びが、労働者階級の若者から絶大な支持を集めた。
本作は2005年7月にハード・ファイの1stアルバムとしてリリースされた。
【オリジナルCD収録曲】
1 キャッシュ・マシン
2 ミドル・イースタン・ホリデイ
3 タイド・アップ・トゥー・タイト
4 ガッタ・リーズン
5 ハード・トゥ・ビート
6 アンネセサリー・トラブル
7 ムーヴ・オン・ナウ
8 ベター・ドゥ・ベター
9 フェルサム・イズ・シンギング・アウト
10 リヴィング・フォー・ザ・ウィークエンド
11 スターズ・オブ・CCTV
フロントマンのリチャード・アーチャーは前身バンドでレコード会社をクビになっていたが、メジャー・レーベルのスタジオで録音した経験を活かして、自分たちでもできるはずと考えた。
安物だが録音に必要な機材を手に入れ、廃業したタクシー会社の物置を月300ポンド(約6万円)で借り、防音のために壁に服を吊るすなどして録音したのが本作だった。
豪華なスタジオを使わずに、たった6万円の制作費で自主製作された本作は、全英1位、100万枚をセールスする大ヒットとなり、労働者階級のバンドのシンデレラ・ストーリーも話題になった。
↓ デビュー・シングルとなった「キャッシュ・マシン」。全英14位まで上昇するヒットとなった。金が無い哀れな生活、無力さについて歌っている。ピアニカで始まるイントロにも悲哀を感じる。
↓ 全英9位まで上昇し、彼らのシングルで最も売れたシングルとなった「ハード・トゥ・ビート」。
(Goro)
コメント
懐かしいですね…..
ワタクシもCDを所有しており、ボチボチ聴きました。
ボチボチなのは、当時の仕事が下降線をたどり始めた時期に重なり、
本来、自身を奮い立たせてくれるはずの音楽でさえ耳に入らなくなりつつあったから。
久しぶりに聴いてみよう。
今調べたら、数年前に活動を再開して、今年新譜も出たとか。
素晴らしい。
わたしも実は、ボチボチどころか、当時はシングル曲しか聴いていませんでした。
わたしは40歳で仕事絶頂時代の大忙しの頃でしたので、時間的にも精神的にも音楽どころではなかったのですが、ただ、当時は「P2Pファイル共有ソフト」というグレーなブツが大流行していたため、誘惑に負けやすいわたしはいそいそと悪に手を染め、気になるバンドのシングル曲ばかりを拾い集めてコンピCD-Rを作り、通勤の車の中で聴いていました。
なので、ハード・ファイの本作も今回初めてちゃんと聴いて気に入ったので取り上げたわけです。