Yeah Yeah Yeahs
“Fever to Tell” (2003)
ヤー・ヤー・ヤーズは、2000年にニューヨークで結成された、ヴォーカル、ギター、ドラムのスリー・ピース・バンドである。ベースはいない。変テコなグループ名は、NYでよく聞く「ヤー・ヤー・ヤー(そう、そう、そう)」という適当な相槌から来ているらしい。
ニック・ケイヴに雰囲気の似たギターのニック・ジナーと、鳥居みゆきに雰囲気の似たヴォーカルのカレンOがニューヨークの居酒屋で意気投合し、カレンOの知り合いでジャズを学ぶ学生だったブライアン・チェイスをドラマーに迎え、パンク・バンドを始めた。
3人は初めて集まったリハーサルで多くの曲を作り、活動を始めるとすぐにストロークスやホワイト・ストライプスの前座を務めることになり、急速にその名が広まった。
メジャー・レーベルからも巨額のオファーが続々と来たが、口出しをされて自分たちの生々しいサウンドが薄まることを危惧してすべて断り、自分たちのポケットマネーでブルックリンの格安スタジオにこもり、本作を完成させたという。
本作はインタースコープ・レコードと流通契約を結び、2003年4月にリリースされた。当時のガレージ・ロック・リヴァイヴァルの波に乗り、全米チャートで55位、全英チャートでは13位まで上昇、全世界で100万枚以上を売り上げるヒットとなった。
【オリジナルCD収録曲】
1 リッチ
2 デイト・ウィズ・ザ・ナイト
3 マン
4 ティック
5 ブラック・タング
6 ピン
7 コールド・ライト
8 ノー・ノー・ノー
9 マップス
10 Yコントロール
11 モダン・ロマンス
カレンOの叫ぶような、喘ぐような、狂ったような、そしてときにシリアスに囁くようなヴォーカル、ニックの、ノイズの塊のようだったり、突然鋭い切れ味を見せたり、そしてときには繊細で美しい音色を奏でるギター、そしてブライアンの知性的でもあり暴力的でもあるドラム。
いかにもニューヨークらしい、アンダーグラウンドとパンクとジャンクとノイズとポップアートのごった煮のような音楽だ。地元伝統の「ニューヨーク鍋」みたいなものだ。
最初は爆発のエネルギーの強さに面食らってちょっと引いてしまったけれども、何度か聴いているうちに不思議と好きになっていった。よく聴くと耳に残るメロディだったり、混沌とした中にも美しい響きが隠れていたり、凶暴かと思えば可憐だったりと、聴けば聴くほどに面白い、真に自由で独創的なアルバムである。
↓ バンドの代表曲として広く知られている「マップス」。カレンOが当時付き合っていた恋人との波乱の関係から生まれた歌だという。
MVの途中でカレンが歌いながら涙をこぼすシーンがあるけれども、これはその恋人がMVの撮影を見に行くと言っておきながら、来ていないことにショックを受けて思わずこぼしたガチの涙らしい。
↓ 英国で16位まで上昇したリード・シングル「デイト・ウィズ・ザ・ナイト」。
(Goro)
