“ニュー・レイヴ”を生んだ近未来ポップ 〜クラクソンズ『近未来の神話』(2007)【わたしが選ぶ!ロック名盤500】#421

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【わたしが選ぶ!ロック名盤500】#421
Klaxons
“Myths of the Near Future” (2007)

クラクソンズはヴォーカル&キーボード、ギター、ベースという構成の英国の三人組だ。ドラマーはいない。ほとんどの曲でドラムマシンを使用しているが、ライヴのときはサポートメンバーが入る。

歪んだベース、ポスト・パンク風のキレのいいギター、3人の合唱ヴォーカルに、ダンサブルなシンセと疾走感のあるビートを組み合わせた「ダンス・オルタナティヴ・ロック」だ。

「ニュー・レイヴ」という言葉が最初に使われた金字塔的作品でもあるが、これはベーシストのジェイミー・レイノルズが「自分たちの音楽はニュー・レイヴだ」と冗談で発言したところ、音楽誌『NME』がこれを大々的に取り上げ、その後のムーヴメントへと発展したものだという。

本作はそんなクラクソンズの1stアルバムである。

【オリジナルCD収録曲】

1 トゥー・レシーバーズ
2 アトランティス・トゥ・インターゾーン
3 ゴールデン・スキャンズ
4 トーテム・オン・ザ・タイムライン
5 アズ・アバヴ、ソー・ビロウ
6 アイル・オブ・ハー
7 グラヴィティーズ・レインボー
8 フォゴットゥン・ワークス
9 マジック
10 イッツ・ノット・オーヴァー・イェット
11 フォー・ホースメン・オブ・2012

 

アルバム・タイトルはイギリスのSF作家、J・G・バラードの小説『近未来の神話 Myths of the Near Future』をそのままパクったもので、歌詞にはウィリアム・S・バロウズやトマス・ピンチョンなども出てくる、なかなかの文学オタクのようだ。

キャッチーなパンク風の楽曲をシンセやエフェクトでギラギラと表面加工したような印象は、まさに「近未来的」で新鮮だった。ただし、近未来と言っても、ハッピーで薔薇色な印象はほとんどない、なんだかチープでダークな近未来である。

本作は批評家からも同時代のミュージシャンたちからも高く評価され、2007年のマーキュリー賞(売り上げや知名度は関係なく、作品の芸術性と完成度でその年の最優秀アルバムに贈られる、英国で最も権威ある音楽賞)を受賞した。

 

↓ 全英7位と、彼らのシングルで最も売れた代表曲「ゴールデン・スキャンズ」。

↓ デビュー・シングルとなった「グラヴィティーズ・レインボー」。タイトルは20世紀前衛文学の極北、トマス・ピンチョンの『重力の虹』から取られている。

(Goro)