Patti Smith
Changing of the Guards (2007)
パティ・スミスが2007年に発表したカバー・アルバム『トゥウェルブ(Twelve)』に収録された、ボブ・ディランのカバーだ。
このアルバムに選ばれた12曲は、ストーンズ、ビートルズ、ジミヘン、ドアーズ、ニール・ヤング、ジェファーソン・エアプレーン、ニルヴァーナ、R.E.M.などなど、まさに「ロックの女王が愛したアーティストたち」といった趣である。
そしてボブ・ディランのカバーは、なんとも嬉しくなる選曲だ。原曲は、ディランがポップ方面に舵を切った1978年のアルバム『ストリート・リーガル(Street Legal)』に収録されている。わたしも大好きな曲だ。
ポップなアレンジの原曲を、パティ・スミスのバージョンは、アコギを中心に据えたシンプルでクラシックな編成ながらもちゃんと2000年代らしい新鮮な響きがする、渋くてカッコいいアレンジになっている。ディランもきっと「こりゃいいな」なんて思ったのではないか。
そもそもシカゴで生まれてニュージャージーで育ったパティ・スミスが、大学卒業後にニューヨークに出てきたのは、ボブ・ディランの愛人になるためという、なかなかイカれた目的だった。
その夢は(たぶん)叶わなかったが、しかし彼女はロックの女王となってディランと一緒にライヴツアーを行ったり、共演もすることができた。ディランのノーベル文学賞授賞式に代理として出席したのはきっと本望だったろう。
なにしろ、ボブ・ディランはアメリカン・ロックの礎を築いた伝説の王なのだ。王様の代理をロックの女王が務めたのは、いかにもふさわしい。
↓ ボブ・ディランのオリジナル。
(Goro)
