
⭐️⭐️⭐️⭐️
Cajun Dance Party
“The Colourful Life” (2008)
ケイジャン・ダンス・パーティーなんて言うと、ケイジャン・ミュージックの愛好家の方などが「おっ」という感じで色めき立つかもしれないけれども、残念ながらその音楽はケイジャンでもなければダンス・パーティーでもない。
まだあまり物を知らない思春期の少年たちが、メンバーの家にあったレコードのタイトル『ケイジャン・ミュージック』を見つけて、「なんだか変なものを呼び覚ます呪文みたい」と面白がってつけただけの名前だった。
そんなケイジャン・ダンス・パーティーは2007年にデビューしたイギリスの5人組で、全員が高校在学中だった。ヴォーカリストのダニエル・ブルンバーグの書く歌詞の文学的センスとギタリストのロビー・スターンの書く瑞々しいメロディーは「恐るべき子供たち」と称賛され、英国で大きな話題となった。
本作はそんな彼らが2008年4月にインディ・レーベルの名門、XLレコーディングスからリリースした1stアルバムである。
【オリジナルCD収録曲】
1 Colourful Life
2 The Race
3 Time Falls
4 The Next Untouchable
5 No Joanna
6 Amylase
7 The Firework
8 Buttercups
9 The Hill, The View & The Lights
正直言えば当時は、高校生のバンドなんて聴く気も起こらなかったが、しかし今回あらためて聴いてみれば、一聴して「あっ、これはモノが違うな」と驚いてしまったのだ。
あどけなさと早熟な才能が同居した、思春期の一瞬のきらめきや切なさを真空パックしたようなアルバムだ。スピーディーで若々しく、フックにこだわったポップソングはとてもチャーミングでもある。
よくある「初期衝動」と「前のめりの勢い」だけで生まれたものではなく、アレンジの工夫やサウンドの妙など、完成度の高さにも感心した。
これはきっと相当腕のいいプロデューサーを雇ったに違いないと思って調べてみると、なんと元スウェードのバーナード・バトラーだった。なるほど、と合点がいった。
レコーディングやプロモーションの合間にもメンバーは高校に通っていて、「テスト勉強とライブのスケジュール調整に追われていた」という。
翌年には2ndアルバムの制作に取り掛かったが、目指す音楽の相違がメンバー間で浮き彫りになると同時に、将来の進路を選択する時期と重なり、アルバムは完成しないまま、バンドは公式に解散宣言もしないままに自然消滅してしまった。
↓ 衝撃のデビュー・シングルにして彼らの代表曲「ザ・ネクスト・アンタッチャブル」。滅多にないぐらい最高のデビュー曲、と言っても言い過ぎではないと思う。
↓ 2ndシングルとなった「アミラーゼ」。ライヴでも大合唱が起きた人気曲だ。
(Goro)