
〈わたしが好きなビートルズ【名曲ベストテン】〉も書き終えたから、次はやっぱり同じビートルズの【名盤ベストテン】だろうなと思いつつ、彼らの12枚のオリジナル・アルバムのタイトルを眺めながら、そのわたしなりの順位を考えてみたのだけれども、ああでもないこうでもないと考えながら、レモン酎ハイや、ブラックニッカの水割りや、黒霧島のお湯割りを飲んでいるうちに眠たくなってきて、もう無理!とベッドに潜り込む日が3日続いた後に、考えるのをやめることにした。
どのアルバムもそれぞれに味が違うので、比べるのが難しい。少なくとも駄作と言えるものは無い。それなりに全部よく出来ているのだ。こんなものはいくら考えたって結論など出そうに無いので、もう単純に、アルバムを順に聴き返しながら、わたしが好きな曲がそれぞれ何曲入ってるか数える、という原始的 (?) な方法を試してみることにした。
そうやって好きな曲が多い順に並べてみると、意外にも腑に落ちるというか、納得できるような順位になったので、このまま採用することにした。
以下はそんなふうにしてわたしが選んだ、ザ・ビートルズの【名盤ベストテン】です。
“Let It Be” (1970)

簡潔なバンド・サウンドへの「原点回帰」を目指したものの、メンバー間の不和により一度お蔵入りした音源を、フィル・スペクターが再編集してビートルズ解散後に発売された作品。断片みたいなトラックがあったり、勝手にオーケストレーションを加えられたりと、なんとなくビートルズのアルバムではないみたいな印象もある。
“The Beatles” (1968)

本作は初めての2枚組アルバムで、やりたい放題の印象だ。その自由さは面白くて、画期的なアルバムだとは思うけれども、好きな曲を数えてみると意外に少なかった。
なんとなく後期のビートルズのほうが、より成長した深い音楽性で、時代を超越した作品という気がしていたのだけれども、好きな曲を数えてみると、意外と少ない。そのうえ、嫌いな曲が初期や中期に比べて俄然、増える。4人の個性がはっきりしてきて、楽曲も個性のあるものが増えてきたということだろうと思うけれども。
“Abbey Road” (1969)
発売は『レット・イット・ビー』より先だが、録音順で言えばこちらが最後のアルバム。
完成度の高い印象も受けるけれども、同時に、4人の個性がハッキリと出ていて、まるで各々のソロ曲を集めたような、なんとも醒めた印象も。B面は断片のような曲を組曲みたいにうまいこと繋いでまとめたなあと思う。この方法論もまた、後進に大きな影響を与えただろう。
“Beatles For Sale” (1964)

フォーク・ロック調の渋めの曲が増え、ボブ・ディランの影響がうっすらと窺える4thアルバム。
わたしがこれを聴いたのは17歳の頃で、同時にボブ・ディランも聴き始めていたので、わりとすんなり入って行けた。わたしにとっては1stに次いで2番目に購入したビートルズのアルバムで、よく聴いたことを憶えている。
“Rubber Soul” (1965)

ザ・バーズを「逆輸入」したフォーク・ロックや、インド音楽の導入してシタールを弾くなど、ライヴよりもスタジオワークの面白さに目覚めた、転換点となった6thアルバム。
「ガール」や「ミッシェル」など嫌いな曲の印象が強かったせいか、長年「嫌いなアルバム」と思い込んでいたけれど、好きな曲を数えてみると意外にあり、そうでもなかったことが判明。
“Magical Mystery Tour” (1967)

ポールの思いつきで行き当たりばったり的に作られ、非常に評判の悪かったテレビ映画『マジカル・ミステリー・ツアー』のサウンドトラックが前半に収録され、後半は直近で既発売のシングル5曲を収録した、アメリカで発売された編集盤。現在では公式にビートルズの9枚目のアルバムとされている。
後半のシングル集が強力なのは当然だが、前半のサウンドトラックにも「フール・オン・ザ・ヒル」「アイ・アム・ザ・ウォルラス」などの名曲を収録した充実の内容だ。
“Help!” (1965)
ビートルズの好きなアルバムを挙げるときに、これが頭をよぎったことは一度もなかったけれど、今回初めて、こんなに好きな曲が多いんだとあらためて気付かされた。過渡期の印象が強いアルバムだが、わたしにとっては64年〜67年頃の中期ビートルズが黄金期なのだろう。
“Revolver” (1966)
ライヴ活動を完全に停止し、スタジオを実験室のように使って、逆回転テープやループ音、大胆なホーンセクションなど、当時の最先端技術を駆使したサイケデリック・ロック作品となった7thアルバム。ジョン、ポール、ジョージの三人の、それぞれソングライターとしての個性がはっきりと分かれ始めた作品でもある。
第2位『ハード・デイズ・ナイト』
“A Hard Day’s Night” (1964)
A面に同名の初主演映画のサウンドトラック、B面に新しくレコーディングされた曲という構成。映画は面白くはなかったけれども、本作は名盤。
わたしは後期のビートルズを散々聴いた後でこれを聴いたので、逆にこねくり回していないシンプルな楽曲が清々しく、単純に興奮し、感動したものだ。
“Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band” (1967)
架空のバンドのショーに仕立てた世界初のコンセプト・アルバム。と言っても、聴いたらわかるように、そんなにコンセプトが徹底しているわけでもない。でもこれのおかげでロックもアートの仲間入りを果たしたのは事実だろう。
以上、わたしが選ぶビートルズの【名盤ベストテン】でした。
好きな曲を数えてみる、という単純な方法をとってみて、意外にも自分の隠れた本音というか、本心がわかったような気がして、自分でも納得のいく順位になったと思う。
人それぞれ、大いに異論があるところだろうけれども、わたしの名盤ベストテンはこんな感じです。
(Goro)




