沢田研二【名曲ベストテン】KENJI SAWADA Best 10 Songs

その昔、TBSの『ザ・ベストテン』という歌番組があった。その番組は、わたしがこの年まで阿保のように音楽に深くのめり込むきっかけとなったものだ。

このブログで恒例の、わたしが好きなアーティストの名曲群を勝手にランキングにしてお薦めするという捉え方によっては失礼な企画【名曲ベストテン】も、【名曲ベスト10】ではなくあえて【名曲ベストテン】としているのは、その『ザ・ベストテン』への深いリスペクトを表したものである。

そして、当時小学生のわたしがその『ザ・ベストテン』で毎週楽しみにしていたのが、沢田研二の出演だった(このスーパースターを呼び捨てで「沢田研二」などと書くのは非常に気が引けるけれども、このブログでは「ボブ・ディランさん」とか、「セックス・ピストルズのみなさん」などと書くことはしていないため、心苦しいけれども、敬称略とする)。

沢田研二を見たいがために毎週『ザ・ベストテン』を楽しみにし、ラジオの歌謡番組やチャート番組なども聴くようになり、そうするうちにいろんなアーティストや音楽に出会い、今も飽きずに聴き続けている。なのでこんなブログも書いている。その原点である沢田研二は、わたしにとってどれほどリスペクトしてもやまない存在だ。

わたしの親などは、特異な衣装や気障なパフォーマンスや化粧をして歌ったりする沢田研二を「気持ち悪い」などと言って嫌悪したものだった。わたしにとってはそれが「世代間の断絶」というものを初めて感じた瞬間でもあった。

今回、あらためて沢田研二の楽曲を聴き返して、その歌の上手さ、表現力、カッコ良さに、あらためて惚れ惚れとすると同時に、やっぱりこの人は日本の音楽史上におい、て稀有な輝きを放った、唯一無二の存在だなあと感動した。

最初に好きになったアーティストがこの人だったことをわたしは誇りたい。彼を好きになった小学生の自分を褒めてあげたい。そんな気分で、この記事を書いている。

ここでは、今あらためて聴き直してもやっぱり良いなあと思いながら、数多の名曲から選び抜いて、ランキングにしてみた。70年代の曲に偏ってしまい、コアなファンの皆さんからはブーイングを浴びそうな気もするけれども、やっぱりわたしはあの時代の歌が好きなので仕方がありません。正直に選ばせていただきました。

以下はわたしが、心から愛する沢田研二の名曲ベストテンです。

第10位 さよならをいう気もない (1977)
作詞:阿久悠 作曲:大野克夫 編曲:船山基紀

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沢田研二の18枚目のシングルとして1977年1月にリリースされたこの曲は、阿久悠・大野克夫・船山基紀というジュリーの絶頂期を支えた黄金トリオが初めてスクラムを組んだ曲だ。オリコン8位。この年の年末に、次のシングル「勝手にしやがれ」で日本レコード大賞を受賞した。

第9位 ダーリング (1978)
作詞:阿久悠 作曲:大野克夫 編曲:船山基紀

1978年5月21日リリースの沢田研二20代最後のシングルは? – ニッポン放送 NEWS ONLINE

オリコン1位、『ザ・ベストテン』では7週連続1位と、絶頂期の大ヒット曲。スピード感のある曲調とハイテンションの歌唱は、歌謡曲にロックのテイストを持ち込んだ新しい響きで、小学生のわたしをシビれさせたものだ。船員のセーラー服の衣装も、カッコよかったな。

第8位 ヤマトより愛をこめて (1978)
作詞:阿久悠 作曲:大野克夫 編曲:宮川泰

沢田研二 / ヤマトより愛をこめて

この年に公開された劇場版アニメ『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』のエンディングテーマとして制作された曲だ。オリコン4位、『ザ・ベストテン』では2位まで上昇した。

「ダーリング」の大ヒットの直後のシングルだったこともあり、小学生のわたしには少し地味な印象だったけれども、今あらためて聴くと、良い曲だなあと思わずにいられない。

第7位 カサブランカ・ダンディ (1979)
作詞:阿久悠 作曲・編曲:大野克夫

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1979年2月にリリースされたシングルで、オリコン5位、『ザ・ベストテン』では1位を獲得した。この絶頂期のジュリーは、新曲のたびに、どんな衣装で歌うのかということでも注目を集めていた。小学生のわたしにはこの曲の衣裳、酒を口に含んで吹き上げるパフォーマンスは特に強烈な印象を残した。

あらためて聴いても、沢田研二以外にこんな曲やパフォーマンスが似合うような歌手は過去にもいなかったけれども、きっと現在にも、未来にも現れないだろうと思う。

第6位 立ちどまるなふりむくな (1976)
作詞:阿久悠 作曲・編曲:大野克夫

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1976年1月にリリースされた15枚目のシングルで、オリコン8位まで上昇した。

この時代のジュリーの曲には印象的でカッコいいイントロの曲が多いけれども、この曲はその最たるもの。むしろ歌よりイントロのほうを先に憶えるくらいだ。

第5位 ロンリー・ウルフ (1979)
作詞:喜多條忠 作曲:大野克夫 編曲:後藤次利

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『ザ・ベストテン』ではその第1回から、ジュリーは出すシングルすべてでベストテン入りを果たし、当時のジュリーの言葉で「1等賞」になれるかどうかが興味を惹かれるところだったのに、この曲は初めてベストテンにすら入ることができなかった(最高位13位)。

その前の「OH!ギャル」というクソみたいな曲ですら2位まで上がったというのに、当時のファンはやはり派手でポップなジュリーを求めていたのだろう。わたしもたぶんそうだった。

でも今あらためて聴いてみると、この曲は素晴らしい。バラードながらワイルドでカッコいい、ちょっとひと味違うオリジナリティがある。ジュリーの歌の上手さにもあらためて感動する。

第4位 危険なふたり (1973)
作詞:安井かずみ 作曲:加瀬邦彦 編曲:東海林修

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1971年11月にソロデビューしたジュリーが、初のオリコン1位を獲得したブレイク作。

こういう曲を聴くと、70年代の歌謡曲って最高だなあとあらためて思う。曲も歌詞もアレンジも、シンプルで、大胆で、ポップで、才気煥発である。腕に覚えのある職人ソングライターたちが日本にもポップスの文化を切り拓き、根付かせるためにしのぎを削っていた時代だった。

有名なイントロのギター(松木恒秀)が素晴らしい。この曲のヒットの要因の半分ぐらいはこの印象的なイントロにあるのではないかとさえ思う。

第3位 サムライ (1978)
作詞:阿久悠 作曲:大野克夫 編曲:船山基紀

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1978年1月にリリースされた22枚目のシングルで、オリコン2位、『ザ・ベストテン』では4週連続1位を獲得した。「片手にピストル、心に花束、唇に火の酒、背中に人生を」という歌詞はちょっとした流行語になるほど広く知られた歌詞だった。

阿久悠の歌詞も凄いが、革ジャンにナチスの鉤十字の腕章をつけて歌い、後半では上半身裸になり、ドスを抜くという演出が衝撃的だった(もちろん大らかな昭和の時代といえども、この腕章は問題になり、後に衣裳を変更する)。

こんなことが似合う歌手は古今東西でもこの人ぐらいのものだ。子供の頃は圧倒され、イケナイものを見ているようにドキドキしながら見惚れていたものだ。

第2位 時の過ぎゆくままに (1975)
作詞:阿久悠 作曲・編曲:大野克夫

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1975年8月にリリースされ、オリコン1位、92万枚を売り上げ、沢田研二のシングルで最も売れた名曲だ。ドラマチックなバラードで、歌詞には特にそういう描写もないのに、妙にヨーロッパ風なイメージが漂うのが不思議だ。

沢田研二主演のTBSドラマ『悪魔のようなあいつ』の主題歌として、演出家の久世光彦が阿久悠に歌詞を依頼し、何人かの作曲家に曲をつけさせて、久世が選んだのが大野克夫のバージョンだったという。

ここから、ジュリーの黄金時代を築いた、阿久悠&大野克夫のソングライター・コンビが誕生したのだった。

第1位 勝手にしやがれ (1977)
作詞:阿久悠 作曲:大野克夫 編曲:船山基紀

勝手にしやがれ[沢田研二][EP盤]

1977年5月にリリースされ、オリコン5週1位、第19回日本レコード大賞を受賞、他にも日本歌謡大賞、日本有線大賞、全日本歌謡音楽祭グランプリなど、音楽賞を総ナメした大ヒット曲。

強烈なインパクトのイントロは日本の歌謡曲ならではだろう。洋楽でこんなに派手でカッコ良いイントロは聴いたことがない。日本のイントロ芸の極致だ。

阿久悠の、画が浮かぶ歌詞もまた素晴らしい。ふざけた主人公が女性に愛想をつかされるが、まだ痩せ我慢してカッコつけようとする、実にカッコ悪い情景のはずなのだけれど、ジュリーが歌うと国籍不明の映画のようなカッコ良さになる。

わたしに音楽の素晴らしさを教えてくれた、永遠の1位だ。

以上、沢田研二【名曲ベストテン】でした。

これがわたしの音楽好きのすべての始まりだったのだなあとあらためて思いました。

ジュリーに最大のリスペクトと感謝を捧げます。

(Goro)