Arcade Fire
“Funeral” (2004)
アーケイド・ファイアは、カナダのモントリオールで結成された、7人編成の大所帯バンドだ。
ヴォーカル、ギター、ベース、ドラム以外に、ヴァイオリン、アコーディオン、パーカッション、キーボードの担当がいる。そしてときにはハープや管楽器、シンセサイザーなども入る。バンドというよりは、小さなオーケストラといった印象だ。
プログレというほど複雑でも実験的でもないが、クラシカル風味のサウンドとフリー・スタイルな楽曲が新鮮で、エモーショナルな高揚感が持ち味のバンドだ。
彼らは2004年9月に本作でインディーズ・レーベルからデビューすると、世界中で称賛され、2000年代における最も重要なバンドのひとつとなった。
【オリジナルCD収録曲】
1 ネイバーフッド#1(タネルズ)
2 ネイバーフッド#2(ライカ)
3 ウン・アネ・サン・ルミエール
4 ネイバーフッド#3(パワー・アウト)
5 ネイバーフッド#4(7ケトルズ)
6 クラウン・オブ・ラヴ
7 ウェイク・アップ
8 ハイチ
9 リベリオン(ライズ)
10 イン・ザ・バックシート
『Funeral (葬式)』という陰鬱なアルバム・タイトルは、メンバーの身内の死が当時相次いだことによるものだ。深い悲しみと喪失感を乗り越え、それでも生き続けるという圧倒的な意志が力強く歌われる。
そしてまた当時、時代を覆う影となった2001年の9.11の衝撃と、その後に続く中世の宗教戦争時代に戻ったかのような不気味な状況があった。
子供たちよ、目を覚ませ
間違って教わったものを掲げろ
連中が夏を塵にしてしまう前にこの稲妻の光が強くなることによって
自分がどこに向かっているのか見えてくるだろう
上ばかり見てないで、足下をしっかりと見よう
(「ウェイク・アップ」written by Arcade Fire)
様々な楽器で演奏されるクラシカルなサウンドと、パンク・ロックのように感情を爆発させるスタイルが融合し、後に「バロック・ポップ」とも呼ばれるようになる。
本作は各国の音楽雑誌でその年のベスト・アルバムに選出され、その年最もブレイクしたバンドとなった。
この翌年にステージで共演を果たしたデヴィッド・ボウイは彼らについて次のように熱っぽく語った。
「アーケイド・ファイアの巨大で分厚いレコーディング・サウンドには、ある種の抑制されない情熱がある。彼らは初期のモータウンから、フランスのシャンソン、トーキング・ヘッズ、そしてザ・キュアーに至るまでのすべてを、目まぐるしい万華鏡のような疾走感の中で融合させているんだ。僕は去年の9月に『フューネラル』のCDを山ほど買い込んで、友達全員に配ったよ。たくさんの人をファンに改宗させたね」(米Rolling Stone誌 2005年)
↓ ライヴでは観客の大合唱が起こる代表曲「ウェイク・アップ」。初めて聴いたときはそのエネルギッシュな演奏に圧倒されたものだった。
↓ 全英19位まで上昇した「リベリオン(ライズ)」。
(Goro)
