![ヘルプ! [SHM-CD][CD] - ザ・ビートルズ - UNIVERSAL MUSIC JAPAN](https://content-jp.umgi.net/products/ui/UICY-76970_NxM_extralarge.jpg?12052017115957)
ビートルズがカバーした曲のオリジナルを発掘する企画の最終回は、1965年8月にリリースされた5枚目のアルバム『ヘルプ!』と、アルバム未収録曲を集めて1988年にリリースされた『パスト・マスターズ』に収録されたカバー6曲の、オリジナルを発掘してみます。
バック・オーウェンス
Buck Owens – Act Naturally
米テキサス州出身のカントリー・シンガー、バック・オーウェンスが1963年にリリースしたシングルで、米カントリー・チャートの1位を獲得し、オーウェンスの代表曲となった。
ビートルズによるカバー・バージョンは、カントリー好きのリンゴ・スターがリード・ヴォーカルを取っている。わたしはリンゴがリード・ヴォーカルを取ったものはだいたい好きだけれども(イエロー・サブマリンは除く)、このカバーは特に好きなもののひとつだ。
ラリー・ウィリアムズ
Larry Williams – Dizzy, Miss Lizzy
米ルイジアナ州ニューオーリンズ出身のR&Bシンガー、ラリー・ウィリアムズが1958年にシングルとしてリリースして全米69位まで上昇した、彼にとって最大のヒット曲。作詞・作曲も彼自身だ。リトル・リチャードの影響が感じられるが、ロックンロールの名曲として永く愛されている。
ビートルズによるカバーでは、こういうはっちゃけたロックンロールを得意にしていたジョン・レノンがリード・ヴォーカルを取っている。演奏もはっちゃけすぎて崩壊寸前なのが面白い。
リトル・リチャード
Little Richard – Long Tall Sally
ロックンロール草創期の1956年にシングル発売され、米R&Bチャートで1位を獲得した、リトル・リチャードの代表曲。エルヴィス・プレスリーをはじめ多くのアーティストによってカバーされたロックンロールのスタンダードだ。
ちなみにこの曲の原詞は、ミシシッピに住む十代の少女が書いたという。彼女は病気を患っていた叔母の治療費を作るために音楽関係者に会ってこの歌詞を売ろうと考え、徒歩で数日かけてテネシー州までやってきた。ラジオのDJに会うと、音楽プロデューサーであるロバート・ブラックウェルを紹介され、ブラックウェルとリトル・リチャードは少女の歌詞を買い、その日の午後には曲を仕上げたという。
ビートルズによるカバーはポール・マッカートニーがリード・ヴォーカルを取り、『ア・ハード・デイズ・ナイト』の制作時に録音されたがアルバムには収録されず、1964年6月に4曲入りEP『ロング・トール・サリー』としてリリースされた。
ラリー・ウィリアムズ
Larry Williams – Slow Down
前述のラリー・ウィリアムズのシングル「ディジー・ミス・リジー」のB面に収録された曲。
作詞作曲もラリー・ウィリアムズだ。ザ・ジャムが1stアルバムでカバーしたことでも知られている。
ビートルズによるカバーはジョン・レノンがリード・ヴォーカルを取っている。
上記と同じEP『ロング・トール・サリー』に収録されたが、ヴォーカルに比べてバンドの音が小さくてショボいなど、なんとなく出来の良くない感じがする。
カール・パーキンス
Carl Perkins – Matchbox
ロカビリーの父、カール・パーキンスの代表曲のひとつ。
あるとき、スタジオを訪れていたパーキンスの父がブラインド・レモン・ジェファーソンの「マッチボックス・ブルース」をリクエストすると、スタジオ・ミュージシャンだったジェリー・リー・ルイスがピアノのリフを弾き始め、カール・パーキンスがそれに合わせて即興で演奏したことで出来上がったという。
ビートルズによるカバーでは、リンゴ・スターがリード・ヴォーカルを取っている。リンゴ・スターの喉の調子が悪そうだが、この2日後に彼は急性扁桃炎と咽頭炎で入院している。
ラリー・ウィリアムズ
Larry Williams – Bad Boy
ラリー・ウィリアムズが1958年にリリースしたシングルだが、チャートインはしなかった。やはりリトル・リチャードの影響が感じられるけれども、よりポップだ。
ビートルズによるカバーはジョン・レノンがリード・ヴォーカルを取り、よりロックンロール色が濃いアレンジになっている。アメリカのキャピトル・レコードからの要求で録音されたもので、米国盤『ビートルズⅥ』に収録された。現在は『パスト・マスターズ』に収録されている。
以上、ザ・ビートルズ『ヘルプ!』『パスト・マスターズ』に収録されているカバー・ソングのオリジナルの発掘でした。
〈ビートルズがカバーした曲のオリジナルを全発掘!〉は今回で終了となります。
お疲れしたっ。
(Goro)