Madonna
“Celebration” (2009)
マドンナが好きだ。
2008年までの全アルバムを紙ジャケにしたCD11枚組BOXセットだって持ってるぐらい好きだ。ほとんど聴いていないけれども、CD棚には面出しで飾ってある。
飾っておいて、5年に一度ぐらいどれか1枚だけ聴きながら、各々のジャケットを眺めて愛でるだけで十分なのだ。
しかしわたしは、マドンナのファンだった時期があるわけではないのだ。わたしのアイドル、というわけではなかったし、アルバムを熱心に聴いていたわけでもない。
それでもヒット曲は全部知っていたし、好きな曲もたくさんある。MVもたくさん見ているし、お気に入りのMVもいくつかある。何十年と見続けていて、彼女がどんどん偉大なアーティストに見えてきて、どんどん美しくも見えてきて、どんどん好きになってきた、そんな感じである。
本作は2009年9月にリリースされた、マドンナ唯一のオールタイム・ベスト・アルバムである。CD1枚18曲収録のものと、CD2枚組36曲収録の2種類が発売された。
ヒット曲満載で、もちろん2枚組のほうがお薦めである。1枚のほうではもう、まったく物足りない。
【オリジナルCD収録曲】
Disc 1
1 ハング・アップ
2 MUSIC
3 ヴォーグ
4 フォー・ミニッツ (feat.ジャスティン・ティンバーレイク・アンド・ティンバランド)
5 ホリデイ
6 エヴリバディ
7 ライク・ア・ヴァージン
8 イントゥ・ザ・グルーヴ
9 ライク・ア・プレイヤー
10 レイ・オブ・ライト
11 ソーリー
12 エクスプレス・ユアセルフ
13 オープン・ユア・ハート
14 ボーダーライン
15 シークレット
16 エロティカ
17 ジャスティファイ・マイ・ラヴ
18 リヴォルヴァー (feat.リル・ウェイン) (新曲)
Disc 2
1 ドレス・ユー・アップ
2 マテリアル・ガール
3 ラ・イスラ・ボニータ
4 パパ・ドント・プリーチ
5 ラッキー・スター
6 バーニング・アップ
7 クレイジー・フォー・ユー
8 フーズ・ザット・ガール
9 フローズン
10 マイルズ・アウェイ
11 テイク・ア・バウ
12 リヴ・トゥ・テル
13 ビューティフル・ストレンジャー
14 ハリウッド
15 ダイ・アナザー・デイ
16 ドント・テル・ミー
17 チェリッシュ
18 セレブレイション (新曲)
1984年のアルバム『ライク・ア・ヴァージン』で大ブレイクした後、一度も低迷することなく人気もセールスも維持し続け、”クイーン・オブ・ポップ”の座に君臨し続けたマドンナ。
全米1位を獲得したシングルが12曲、それ以外にトップ10ヒットとなったシングルが26曲。レコードとCDの売上枚数は全世界で4億枚、「世界で最も売れた女性アーティスト」としてギネス・ブックにも認定されている。
さらに恐ろしいことに、マドンナの最も売れたシングルは2006年、彼女が48歳のときの「ハング・アップ」であり、全世界で900万枚と記録されている。これは「ライク・ア・ヴァージン」の1.5倍の数字であり、普通のアーティストでは考えられないことだが、彼女は年を重ねて下降線を辿るどころか、さらに売れていってるのだ。そんなアーティストは過去に存在しなかったし、この先もきっと、二度と現れないだろう。
本作のタイトル『セレブレイション』は「お祝い」という意味だが、50歳になったお祝いだろうか。それとも前年に、『ロックの殿堂』入りを果たしたお祝いだろうか。
新曲として「セレブレイション」という曲が最後に収録されているけれども、この曲はシングル・カットされ、MVも公開された。
超ミニスカートの衣裳を着て、股をパクパク開きながら前後左右に腰を振りまくる、超下品でカッコいいMVだ。
ダンス・ミュージックには違いないけれども、わたしは「ロケンロールだなあ」と思った。
いや、その昔ロックンロールは、ダンス・ミュージックだったのだ。
若者たちはエルヴィス・プレスリーが脚をクネクネ、腰をフリフリしながらロックンロールを歌う姿に熱狂し、大人たちは眉を顰めた。ロックンロールはその誕生当初から、下品でいかがわしいダンス・ミュージックであり、若者を狂わせる「悪魔の音楽」と激しく批判されたのだった。
しかし、もはやロックに、そのようないかがわしさはすっかりなくなってしまった。ワイルドでラウドであっても、下品というわけでもない。大人も眉を顰めなくなった。気にもしなくなった。
それならマドンナのほうが、圧倒的に下品でいかがわしい。そしてカッコいい。今でもまだ、新曲が出ればいちいち聴きたくなるし、見たくなる。
わたしにとってマドンナは、永遠のロックンローラーなのだ。
↓ 1984年に全米1位の大ヒットとなり、マドンナの名を世界に知らしめた「ライク・ア・ヴァージン」。
↓ 本作に新曲として収録された「セレブレイション」。
(Goro)
