クロスビー、スティルス&ナッシュ/組曲:青い瞳のジュディ (1969)【’60s Rock Masterpiece】

Crosby Stills & Nash

【60年代ロックの名曲】
Crosby, Stills & Nash
Suite; Judy Blue Eyes (1969)

1968年7月、ジョニ・ミッチェルの家に3人のミュージシャンが遊びに来た。

元バッファロー・スプリングフィールドのスティーヴン・スティルス、元バーズのデヴィッド・クロスビー、元ホリーズのグラハム・ナッシュだ。

彼らは夕食を終えると、その場でセッションを始めた。
スティルスの曲にクロスビーとナッシュがコーラスを即興でつけると、声が見事に溶け合った。3人は自分たちの声の相性がとても良いことに気づき、3度目に演奏した頃には笑い出していた。スティルスは後に「CS&Nのサウンドとハーモニーを奏でるのに、30秒あれば充分だった」と語っている。

この3人が出会ったことによって誕生したグループは、翌69年5月に1stアルバム『クロスビー、スティルス&ナッシュ』を発表する。

アルバムは全米6位まで上がる大ヒットとなった。
さらに、結成から3カ月も経たないうちに、あのウッドストック・フェスティヴァルにも出演することになった。ウッドストックでの彼らは、まさに当時の米国ロックシーンの新章の主人公のように、熱狂的に迎えられた。

リアルタイムではなく、20年ぐらい遅れて聴いたわたしですら、CS&Nの3人のコーラスのあのぴったり具合、シンクロの凄さには驚いたものだった。

技術的な高さはもちろんだけど、声の音色もたまたまぴったりの相性なのだろう、これほど美しく透んだコーラスも滅多に無いし、アコースティック主体の爽やかなサウンドがこれまたよく合う。わたしの大好物の、なめ茸と大根おろしぐらいよく合うのだ。

この曲の「ジュディ」というのはジュディ・コリンズのことだそうだ。
ジュディ・コリンズは61年にデビューしたフォークシンガーで、大きな青い目が印象的な、ものすごく美しい女性だ。

しかし、スティーヴン・スティルスはどうやら、そのジュディにフラれちゃったらしいのだ。

Crosby, Stills & Nash – Suite: Judy Blue Eyes (Official Audio)

(Goro)