トッド・ラングレン/ウィー・ガッタ・ゲット・ユー・ア・ウーマン (1970)【’70s Rock Masterpiece】

【70年代ロックの名曲】
Todd Rundgren
We Gotta Get You a Woman (1970)

1970年9月発表のトッド・ラングレンの1stアルバム『ラント』からのシングルで、全米20位と、彼の最初のヒット曲となった。

もともと「ラント」というのは、トッド・ラングレン(vo,g,key)、トニー・セイルズ(b)、ハント・セイルズ(d)というトリオのバンド名だったのだ。

当初このアルバムは、そのラントの1stアルバムだったのだが、なぜか後にトッド・ラングレン名義に変更された。大人の事情でもあったのだろう。ちなみに2ndもラントとしてのアルバムだったが、これも後にトッド・ラングレン名義に変更されている。

アルバムの全曲をトッド・ラングレンが書いていて、この曲もそうだ。
ひどく落ち込んでいる友人を助けようと「君に女の子を紹介してあげよう。生きててよかったと君が思うような女の子を探してみる」と歌う、なんだかバカっぽい男たちが目に浮かぶ心温まる歌だ。そして歌の最後は「もし君にぴったりの女の子が見つかったら、僕にも1人見つけてくれるかな」と締め括られる。良い歌だな。

ポップだけれどもよく聴くと凝ったアレンジで、こだわりが強いオタク気質のトッド先生らしい。

わたしは基本的にどんなジャンルであれオタク気質を持った人間にシンパシーを感じるが、それは「熱量」が伝わってくるからであり、しかしその周囲の人とは共有しづらい熱量ゆえに、必然的に「孤独」になりがちだからでもある。若い頃のわたしと同じように。

トッドもこのラントで2枚アルバムを出した後、3枚目のアルバムはほとんどの曲でひとりで全楽器を演奏して作るという、徹底して孤独な作品となっている。

しかし「孤独」は磨き上げれば、いつかオリジナルの光を放つものだ。

(Goro)

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