オルタナとポップの融合で世界的ヒット 〜アラニス・モリセット『ジャグド・リトル・ピル』(1995)【わたしが選ぶ!ロック名盤500】#355

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【わたしが選ぶ!ロック名盤500】#355
Alanis Morissette
“Jagged Little Pill” (1995)

アラニス・モリセットはカナダの首都オタワ出身のシンガー・ソング・ライターだ。カナダでは1991年、17歳でポップ・アイドルとしてデビューした。

1stアルバム『アラニス』から何曲かをヒットチャートに送り込み、カナダの音楽賞も受賞して順風満帆に見えたが、翌年リリースされた2ndアルバムは前作の半分しか売れず、レコード会社は彼女との契約を打ち切った。

高校を卒業した彼女はトロントに移り住み、音楽活動を続けたが実を結ばず、さらにロサンゼルスへと移住する。その地でプロデューサー兼ソングライターのグレン・バラードと出会い、運命の歯車が動き出す。

バラードもまた低迷している時期だったが、アラニスの声と才能を信じて共に曲作りに励み、本作『ジャグド・リトル・ピル』を完成させた。

主要レーベルにデモテープを送ったもののまったく興味を示されなかった中で、マドンナが設立したレーベル、マーヴェリックだけがアラニスの才能を見抜いて即契約したという。

余談だが、当時20歳のアラニスは貧困生活のため着るものがなく、デビュー前の大事な会議にスウェットスーツで現れ、それを見たマドンナが黄緑色のプラダのドレスをプレゼントしたという。アラニスは後に「その服の値段を知ったときは固まった」とも告白している。

そして1995年6月に本作はリリースされ、アラニス・モリセットは21歳で世界デビューを果たした。

【オリジナルCD収録曲】

1 オール・アイ・リアリー・ウォント
2 ユー・オウタ・ノウ
3 パーフェクト
4 ハンド・イン・マイ・ポケット
5 ライト・スルー・ユー
6 フォーギヴン
7 ユー・ラーン
8 ヘッド・オーヴァー・フィート
9 メリー・ジェーン
10 アイロニック
11 ノット・ザ・ドクター
12 ウェイク・アップ

このアルバムがもう、滅茶苦茶売れた。

全米1位、全英1位、全世界で3,300万枚を売り上げ、その年のグラミー賞では「最優秀アルバム賞」(当時は最年少受賞記録だった)を含む4部門を受賞した。

日本でも本作はよく売れた。当時、配送の仕事をしていたわたしは、車のFMラジオから毎日のように流れてくる「ユー・オウタ・ノウ」を聴くのが楽しみになっていた。「レッチリみたいな曲だな」と思っていたら、ベースにレッチリのフリーとギターにデイヴ・ナヴァロが参加していた。

オルタナティヴ・ロックの語法を使った、新時代の女性シンガー・ソングライターという感じだった。

唾を飛ばしながら生々しい激情を曝け出し、吐き捨てるように歌うスタイルがカッコ良かった。アルバムは耳に残る楽曲が多くあり、充実した内容だ。

↓ 米オルタナ・チャートで5週連続1位となるなど、世界的ブレイクを果たした代表曲「ユー・オウタ・ノウ」。

↓ 全米4位、全英11位の大ヒットとなった「アイロニック」。

(Goro)

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