キッス【名曲ベストテン】KISS Best 10 Songs

Alive! [12 inch Analog]

わたしがキッスを知ったのは、小学校高学年ぐらいのことだ。
まだ洋楽なんてまったく興味もなかった頃、転校して来たばかりのちょっとマセた同級生の家に遊びにいったときに彼がLPレコードを見せてくれたのだ。たしか、『地獄の狂獣 キッス・ライヴ(Alive)』だったと思う。

レコードを聴かせてもらったのかどうかは記憶にないのだけれど、そのジャケットに映った仮面ライダーの適役みたいな連中の姿に衝撃を受けた。なんてカッコいいんだろう、と思ったものだ。

当時のわたしの家にはレコード・プレーヤーがなかったので、レコードを聴くことはできなかったが、時折ラジオから流れてくる当時のキッスのヒット曲にはあのジャケットのカッコいい姿を思い出しながら興奮して聴いたものだ。

当時はちょうどキッスが売れ筋を狙ってポップ化している頃だったけど、わたしはその頃の楽曲が思い入れが深いので、ここで選んだ曲にもそれが反映していると思う。

あれから40年以上が経ったけれども、なぜかGUでキッスのTシャツが売られていたりもする。中にはそのヴィジュアルに魅かれて、聴いてみたいと思う奇特な少年少女たちもいるかもしれないので、そんな彼らに薦めてみたい10曲を選んだつもりです。

以下は、わたしが愛するキッスの至極の名曲ベストテンです。

第10位 狂気の叫び(1976)
Shout It Out Loud

4thアルバム『地獄の軍団(Destroyer)』からのシングルで、全米31位。コウモリみたいなメイクで長い舌をベロベロと出すのが特徴のジーン・シモンズ(ベース)と、★メイクのポール・スタンレー(リード・ヴォーカル)によって書かれた曲だ。
カナダではバンドにとって初となるチャート1位を獲得した。
サビのメロディは子供でも1回訊いたら憶えてしまうキャッチーな曲だ。

Kiss – Shout It Out Loud (Live From Tiger Stadium)

第9位 ヘヴンズ・オン・ファイアー(1984)
Heaven’s on Fire

12枚目のアルバム『アニマライズ(Animalize)』からのシングル。一時期メイクをやめていた時代で、この頃の楽曲はあまり人気がないのだけれど、この曲は現在までずっとライヴのセットリストに入り続けている人気曲だ。
意外とその時々の流行のサウンドに寄っていくキッスだが、これも当時の流行を反映して、L.A.メタルみたいなサウンドになっている。
その昔から世相や流行を取り入れて客を楽しませた、歌舞伎一座みたいなものだな。

Kiss – Heaven's On Fire

第8位 ラヴ・ガン(1977)
Love Gun

6thアルバム『ラヴ・ガン(Love Gun)』のタイトル曲。シングル・チャートでは全米61位と振るわなかったが、その後キッスの代表曲となり、曲を書いたポールも最も気に入ってる作品に挙げている。
ちなみにタイトルは、当時吹き荒れていたパンク・ムーヴメントに関心を持っていた彼らが、「Sex Pistols」を言い換えて「Love Gun」としたものらしい。

Love Gun

第7位 激しい愛を(1975)

日本でのデビュー盤となった3rdアルバム『地獄の接吻(Dressed to Kill)』からのシングル。ポール・スタンレーの作だ。「僕はあなたにひざまずく。僕を好きなようにしていい。だから、愛してくれ」と歌う、ハード・ロックと言うよりグラム・ロック風のこの曲がわたしは好きだ。ギターもカッコいい。

C'mon And Love Me

第6位 ブラック・ダイヤモンド(1974)

ポールが書いた曲で、1stアルバム『地獄からの使者(Kiss)』のラストに収録された曲。現在もライヴ本編のラストで演奏されている。
ポールが書き、導入部分がポール、本編をピーターが歌っている。歴代のキッスのドラマーは必ずライヴで歌ったそうで、ライヴ終盤の見せ場のひとつでもあったそうだ。なんかピーターのヴォーカル多いな。
ずっとエンディングがムダに長い気がしていたのだけど、今回初めて映像を見て納得。こういう演出があったのね。

Black Diamond

第5位 ベス(1976)
Beth

4thアルバム『地獄の軍団(Destroyer)』収録曲。ドラマーのピーター・クリスが書いた曲で、リード・ヴォーカルもピーターが取っている。
家で待つ奥様に「いつも独りにしてすまない。君が寂しいのはわかってるんだ。君が待つ家に帰りたいけど、バンドの仲間と練習があるんだ。徹夜で」と歌う、妙にリアルな歌詞のラヴソングだ。
最初はシングル「デトロイト・ロック・シティ」のB面に収録されたが、「ベス」のほうが注目され、A面とB面を逆にして再発売されると全米7位の大ヒットとなった。これはキッスのシングルとしては最高位である。

Beth

第4位 ハード・ラック・ウーマン(1976)
Hard Luck Woman

5thアルバム『地獄のロックファイアー(Rock and Roll Over)』からのシングル。全米15位のヒットとなった、アコギを中心にしたアレンジがいい。

ポールがロッド・スチュワートに歌ってもらおうと思って作った曲なんだそうだけど、たしかにどこか「マギー・メイ」を思わせるような曲だ。ピーターもまるでロッドみたいな歌い方だ。こういうのに弱いんだよねえ。。

KIss – Hard Luck Woman 1976

第3位 デトロイト・ロック・シティ(1976)
Detroit Rock City

アリス・クーパーのプロデューサーだったボブ・エズリンを迎えて作られた4thアルバム『地獄の軍団(Destroyer)』のオープニング・トラック。このアルバムがキッスの出世作となり、世界的な人気を得ることになった。
この曲はその後のライヴのオープニング・ナンバーとして定着した代表曲で、現在もそれは変わっていない。

Detroit Rock City

第2位 ラヴィン・ユー・ベイビー(1979)
I Was Made for Lovin’ You

7枚目のアルバム『地獄からの脱出(Dynasty)』からのシングルで、当時世界的に流行していたディスコ・ビートを取り入れた超ポップな曲。全米11位のヒットとなった。
わたしが初めてリアル・タイムで聴いたキッスのシングルで、当時は日本でもしょっちゅうラジオから流れてくるほどヒットしていた。わたしも同級生と一緒にイントロのコーラスのところを「フーウーウーフ、フーフフ~~」なんて一緒に口づさんだりしたものだ。
ジーン・シモンズなどはこの曲があまり好きではないようなことも言ってるし、たしかにハード・ロック・バンドにしてはポップすぎるけど、わたしはこのエンターテインメント歌舞伎一座にはよく似合ってると思うけどな。

Kiss – I Was Made For Lovin' You

第1位 ロックンロール・オールナイト(1975)
Rock and Roll All Nite

3rdアルバム『地獄への接吻』からのシングルで、ポールとジーンの共作。当初は全米68位とイマイチだったが、半年後にライヴ・アルバム『地獄の狂獣(Alive!)』からライヴ・バージョンであらためてシングル・カットすると、全米12位のヒットとなった。
ロック史上、タイトルに「ロックンロール」と名の付く曲の中でも最も有名な曲のひとつであり、キッスの代名詞とも言える永久不滅の名曲だ。

Kiss – Rock And Roll All Nite (From Kiss eXposed)

入門用にキッスのアルバムを最初に聴くなら、『KISS GOLD』がお薦め。ここで選んだ10曲がすべて収録されているのはたぶんこのCDぐらいだと思います。

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(by goro)