オーティス・レディング『オーティス・ブルー』(1965)【最強ロック名盤500】#95

Otis Blue -Coloured/Hq- [Analog]

⭐️⭐️⭐️⭐️

【最強ロック名盤500】#95
Otis Redding
“Otis Blue” (1965)

この美しいジャケットのアルバムは、60年代イギリスのモッズたちが特に愛したレコードのひとつとしても有名な、オーティスの代表作だ。

わたしは30歳ぐらいのときにハマってよく聴いた。わたしは見た目は全然違うけれども、心はモッズだったのかもしれない。

本作は1965年9月にリリースされたオーティス・レディングの3rdアルバムだ。オーティスのオリジナルは3曲だけで、他の8曲はすべてカバーだ。

特にオーティスの心の師であるサム・クックが前年の12月に射殺されてこの世を去ったばかりだったので(詳しくはこちら)、サム・クックへのトリビュートとして3曲をカバーしている。カッコ内はカバー元のアーティストだ。

【オリジナルLP収録曲】

SIDE A

1 オール・マン・トラブル
2 リスペクト
3 チェンジ・ゴナ・カム(サム・クック)
4 ダウン・イン・ザ・ヴァレー(ソロモン・バーク)
5 愛しすぎて

SIDE B

1 シェイク(サム・クック)
2 マイ・ガール(テンプテーションズ)
3 ワンダフル・ワールド(サム・クック)
4 ロック・ミー・ベイビー(B.B.キング)
5 サティスファクション(ザ・ローリング・ストーンズ)
6 恋を大切に(ウィリアム・ベル)

サム・クック以外にも、テンプテーションズの大ヒット曲やB.B.キングの代表曲、そしてローリング・ストーンズまで、バラエティに富んだ選曲で楽しめる、そして初めてオーティスを聴く人にも親しみやすいアルバムだろう。

ローリング・ストーンズはそれまでにオーティスの曲を2曲カバーしているので、この「サティスファクション」のカバーはその返礼のようでもある。

ストーンズの「サティスファクション」は歪んだ音のギターリフが有名だが、作者のキース・リチャーズは当初はそのリフをホーンで入れたいと思っていた。後にオーティスのバージョンを聴いたときに「まさに、あれが本来やりたかったアレンジだったんだ」と悔しがったという。

カバー曲もすべて良い出来なので、最後まで飽きずに楽しめるが、しかしなんといっても本作のハイライトは、オーティスのオリジナルの3曲だろう。どれも名曲だ。

A2「リスペクト」は米R&Bチャート4位、全米35位のヒットとなったが、アレサ・フランクリンが1967年に発表したカバーは全米1位の大ヒットとなった。2021年版のローリング・ストーン誌が選ぶ「歴代最高の500曲」の第1位に、なんとこのアレサのカバーが選ばれている。

A1「オール・マン・トラブル」とA5「愛しすぎて」は、どちらもオーティスらしい「泣き節」が炸裂する、ドラマチックなソウルバラードだ。本作ではわたしが最も好きな2曲だ。

「サティスファクション」のカバーへのさらなる返礼なのか、ストーンズはこの「愛しすぎて」を次のアルバムで早速カバーしている。

アルバムは全米75位、R&Bチャート1位、全英6位と、オーティスが初めてR&Bチャート1位を獲得した作品となった。

↓全米21位。R&Bチャート2位と、オーティスの生前のシングルでは最高位のヒットとなった「愛しすぎて」。

I've Been Loving You Too Long (Mono)

↓ ローリング・ストーンズのカバー「サティスファクション」。全米33位、R&Bチャート4位のヒットとなった。

[I Can't Get No] Satisfaction [Mono] [2008 Remaster]

(Goro)

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