【100グレイテスト・ソングス】#74
The Rolling Stones – You Can’t Always Get What You Want
名曲には違いないのだけど、わたしはこの曲が長年あんまり好きじゃなかった。
なんで好きじゃなかったんだろうと考えながら、あらためて聴いてみた。
たとえば、オリジナル・バージョンの冒頭の女声合唱の部分はあんまり好きじゃない。
でも、その後に続くアコギのイントロは好きだ。
メロディはとてもいい。ゴスペルみたいで、格調高い美しい曲だ。でも、若干長くて、最後のほうには飽きてくる。
タイトルにもなっている、「You Can’t Always Get What You Want(欲しいものがいつも手に入るとは限らない)」というサビの歌詞も良いと思う。
でも、それに続く「But if you try sometimes well you just might find, You get what you need(でも努力すれば手に入るかもよ)」という歌詞にはなんだか「ん?」となる。
「無情の世界」じゃなかったんか。
正直、「無情の世界」と言われたほうがあきらめがついてラクなのに、「努力すれば…」と言われると、やっぱりしんどいなあ、生きるのって、という気分になってくる。
わかった。
わたしはだいたい、努力もしないで最初からあきらめてしまう弱々人間として生きて来たので、この歌詞がわたしの痛いところを突いてくるのが嫌なのかもしれない。
諦めずに努力すれば、わたしはもっと欲しいものを手に入れられたのだろうか。
そうかもしれない。
でも、「あきらめが肝心」という言葉だってある。
どっちだ。
こういうのは半世紀生きてきても、なかなか答えが見つからないものである。
努力したって手に入らないものはあるし、努力しなくても手に入ることもある、なんて当たり前で全然面白くないことを言ってくれた方が、それこそ「無情の世界」という感じがして、慰めにもなるのだけれど。
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