
⭐️⭐️⭐️
Björk
“Homogenic” (1997)
あれ、このジャケットのキャラクター、大友克洋の『AKIRA』に出てこなかったっけ?
いや、奥浩哉の『GANTZ』だっけか。これが怒ると巨大化して、目からビーム出したり、髪の毛がワサワサと空を覆い隠して、農作物を枯らしたり。
なんて妄想が広がるほど、強烈なインパクトのジャケットだ。美しいとも言えるし、面白いとも言えるし、異様とも言えるし、アヴァンギャルドとも言えるし、「ロボットみたい」とも言えるし、「人間じゃん」とも言えるし、それらすべての印象は中身の音楽にもそのまま当てはまる。
前作の『ポスト』は「ビョーク、世界を旅する」みたいな、いろんな国の音楽の要素が詰め込まれた多国籍的なアルバムだったが、本作は「ビョーク、故郷へ帰る」という、祖国アイスランドの大自然のイメージで統一したのだという。本人談。
本作は1997年9月にリリースされた、ビョークの最高傑作とも称される、3rdアルバムである。全英4位、全米28位、日本のオリコンでも総合16位まで上昇した。
【オリジナルCD収録曲】
1 ハンター
2 ヨーガ
3 アンラヴェル
4 バチェラレット
5 オール・ネオン・ライク
6 5イヤーズ
7 イマチュア(マーク・ベルズ・ヴァージョン)
8 アラーム・コール
9 プルートウ
10 オール・イズ・フル・オブ・ラヴ
「火山のように荒々しい電子ビート」と「アイスランドの伝統を象徴するストリングス」を融合させたサウンドが本作のキモとなっている。そして、この世とあの世の境の地の果てに立つ巫女となったビョークが、祈りの歌声を感情豊かに張り上げる。みたいな。
ビョークは本作について「電子音とオーケストラを、まるで火山と氷河のようにぶつけたかった」と語っている(Mark Pytlik著『Björk: Wow and Flutter』)。
ロックという古くさい言葉も似合わないし、ポップスという安っぽい言葉も似合わない。ダンス・ミュージックのような実用性もなければ、テクノというにはあまりに感情的だ。
時代的には、無理やりポスト・ロックの亜種と言うこともできるけれども、それよりもう、もはや音楽という枠さえ超えて、まだ誰も見たことのない独創的な芸術作品を創造しているかのようだ。
↓ アイスランドの大自然と、火山による地殻変動を音楽にしたような「ヨーガ」。アイスランドのシングル・チャートで1位を獲得した。
↓ 生楽器のストリングスと電子ビートの融合が最も極端な形で現れた、壮大な「バチェラレット」。
(Goro)