ジャニス・ジョプリン/コズミック・ブルース (1969)【’60s Rock Masterpiece】

I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again Mama [Analog]

【60年代ロックの名曲】
Janis Joplin
Kozmic Blues (1969)

ビッグ・ブラザー&ホールディング・カンパニーを脱退後、ジャニスの初のソロアルバムとして1969年9月にリリースされた『コズミック・ブルースを歌う』に収録された曲。

アルバムは全米5位の大ヒットとなったが、シングルとしては41位どまりだった。

ブラスも入ってやや派手めのアレンジの、当時のオーティス・レディングやアレサ・フランクリンといったあたりのディープ・ソウル風である。

この曲はジャニス・ジョプリンとガブリエル・メクラーの共作となっている。
歌詞はジャニスの心の叫びのようだ。

時は流れ、友は去っていく
わたしは理由もわからないまま生き続ける
必死で夢をみて、頑張っても
孤独な日々は続く
25歳になったけど何ひとつ変わらない
子供の頃からなにも変わらない

でもわたしはあきらめない
何も変わらないはずはがない
必ず変えて見せる
死ぬまで心の火を燃やし続けるの

(written by Janis Joplin, Gabriel Mekler)

ジャニスのイメージはとにかく”孤独”だ。彼女のドキュメンタリー映画『JANIS』(1974)に、今でも忘れられないシーンがある。

子供の頃から仲間外れにされていたと告白した後、スターになった彼女は地元に帰り、精一杯おしゃれをしてとても嬉しそうに「今から同窓会に出席するの」と語っていた。
しかし、その同窓会が終わった後、再びカメラの前で「うーん…やっぱりみんなの中に入っていけなかった…」と彼女は語った。あのときの、成功したロックスターとは思えない、寂しい表情が忘れられない。

彼女はホールディングカンパニーのヴォーカリストとしてデビューしたが、彼らとの関係も長くは続かず、アルバムごとにバンドを変えている。

仕事でも孤独だったし、そして最期もひとりぼっちで、彼女はこの世に別れを告げた。

ロックが好きな奴なんてだいたいが、他人に心を開いて繋がることが苦手な、寂しいやつが多いに違いないのだ。もちろん、わたしもそのひとりだ。

ジャニスはまるでその象徴のような、孤独なロッククイーンだ。
だから男女問わず、ロックファンに共感され、いつまでも愛され続けるのだろう。

Janis Joplin – Kozmic Blues (Official Audio)

(Goro)

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