【2000年代ロックの快楽】
Coldplay
Yellow (2000)
2000年代に入って初めて生まれたロック・アンセムであり、コールドプレイの名前を世に知らしめたのがこの曲だ。
当時ビデオレンタル店の店長になったばかりで、マニアックなロックを聴くのを一旦やめて、大急ぎで流行りのJ-POPを聴きまくって商品知識を身につけようとしていたわたしの忙しい耳に、隙をぬうようにヌルッと入り込んできたのがこの曲だった。何かの偶然で一度聴いただけだったが、そのまま心のなかにに熾火のように残って、チカチカと輝き続けていたものだった。
コールドプレイは1997年にロンドンで結成され、2000年7月に1stアルバム『パラシューツ』をリリース、シングル・カットされたこの「イエロー」が全英4位のヒットになるなど世界中でブレイクした。
「コールドプレイ」なんて名乗るぐらいなので、やっぱりあんまり熱い感じはしない。トラヴィスやレディオヘッドやU2、あるいはニール・ヤングあたりの影響を感じる。
フロントマンのクリス・マーティンは酒もタバコもやらないベジタリアンだそうだ。たしかに肉食系の感じや酔っぱらいのような勇猛さはその音楽にはカケラもない。女優のグウィネス・パルトロウと結婚していたが、最近離婚した。
初めて聴いたときに、親しみやすいメロディでありながら、古い教会を連想させるような厳粛さのある音楽だと思ったものだ。ヴァースの親しみやすいメロディから一転して、ファルセットで歌われるサビが滅法美しい。ロック・シーンに再び「歌」が戻ってきた、と感動したものだった。
このPVの、歌ってるあいだにだんだん夜が明けていくのが印象的だ。
2000年代ロックという、新しい時代の幕開けを象徴するような、黎明が明けるその瞬間にも見える。
(Goro)