Bob Dylan “The Bootleg Series Vol. 13: Trouble No More 1979–1981”
これはいいねえ。
いつになくご陽気なジャケもいい。
ブートレッグ・シリーズの第13集は、ディランがキリスト教にハマってた時期、『スロー・トレイン・カミング(1979)』『セイヴド(1980)』『ショット・オブ・ラヴ(1981)』の期間のライヴ音源を中心に、他にもアウトテイクや未発表曲も収録されている。
通常版がCD2枚組30曲、デラックス版がCD8枚組102曲という仕様だ。もちろんわたしはデラックス版で聴いた(apple musicにはそっちしかないのだ)。
この時期の曲のライヴ音源はこれまでほとんどリリースされていないので嬉しい。102曲、8時間11分という過去最大のボリュームもまったく苦にならない。ずっと楽しめた。
この時期はディランがユダヤ教からキリスト教に改宗した頃で、ゴスペル的な要素を導入していて、たしかにそれ以前のディランとは違うけど、楽曲のクオリティも高く、黒っぽい感じがなかなかカッコいいのだ。
歌詞に宗教的な内容のものが多く、それがディランらしくなくてなんだか気に食わないという人も多いらしいのだけれど、わたしは歌詞なんてどうせわからないので全然気にならない。
ディランのこの時期のライヴは、以前のように代表曲や人気曲を演奏しなくなり、この時期に書いた新しい曲しか演奏しなくなったことでどんどん客が入らなくなっていったという(なので仕方なく人気曲も演奏することにしたらしい)。
当時ディランはレコード会社に対して、この時期のツアーをライヴ盤としてリリースしたいと再三要求したが、却下されたという。
しかし聴いてみれば、この時期の演奏をディランがライヴ盤にしたがったのがよくわかる、すごく出来の良い演奏も多いのだ。ディランのかなり気合の入ったアツい歌声も聴ける。
↓ 「スロー・トレイン」1981年6月29日、英ロンドンでのライヴ。