Bob Dylan “Together Through Life”
ディラン67歳のアルバム。前作『モダン・タイムス』の評価が高かったのが今作への期待に繋がったのか、なんと全米1位、全英1位(39年ぶり!)というおそるべきセールスとなった。日本でもオリコン・チャートの16位という洋楽としてはかなりのヒットとなった。
今回は収録曲のほとんどをグレイトフル・デッドの作詞家ロバート・ハンターと共作している。
前作から引き続き、ブルースのスタイルをそのまま使って新曲をつくる、改作というか替え歌をのような楽曲が多い。
3曲目の「マイ・ワイフズ・ホーム・タウン My Wife’s Home Town」などは、あのマディ・ウォーターズの「I Just Want to Make Love to You」のモロ替え歌である。アレンジもほぼ同じだ。これがまたディランの声に合っていて、迫力もあってすごくいいのだ。
大昔のブルースやフォークといったルーツ・ミュージックは、誰かが作った歌を歌詞を変えて歌ってみたり、改作して自分の歌にしたりということがあたりまえだったのだけど、その伝統に従って、ディランもマディの歌を改作してみました、ということなのだろうか。まあディランだからきっとなにをやってもいいのだろう。
アコーディオンを弾いているのはロス・ロボスのデヴィッド・イダルゴだが、このアコーディオンがまたいい。
『My Own Love Song』というロード・ムーヴィーのために書かれたという曲、「ライフ・イズ・ハード Life Is Hard」もいい。
ザ・スミスみたいなジャケットもカッコいいな。聴いてみたくなるジャケだ。
↓ マディ・ウォーターズの「I Just Want to Make Love to You」のモロ替え歌「マイ・ワイフズ・ホーム・タウン My Wife’s Home Town」。
↓ 映画『My Own Love Song』のために書かれた「ライフ・イズ・ハード Life Is Hard」