【70年代ロックの名曲】
Crosby, Stills, Nash & Young
Ohio (1970)
Crosby, Stills, Nash & Young
Ohio (1970)
1970年5月4日、米オハイオ州のケント州立大学において、ベトナム戦争に反対する学生たちのデモ集会に対して州兵が発砲し、4人が死亡、9名が負傷した。
死亡した学生のうちのひとりは、デモに参加したわけでもない、教室を移動している途中の女子大生だった。
国土と国民の命を守るために存在している軍隊が、丸腰の自国民に向けて発砲するなど、どのような理由があっても許されることではないだろう。親が自分の子供を銃で撃つようなものだ。頭のネジの外れた、狂人たちの所業でしかない。
ニール・ヤングはこの事件に憤り、一晩で曲を書き上げ、クロスビー、スティルス&ナッシュを従えてレコーディングした。そして、わずか10日後にはシングル・レコードとして店頭に並んだという。
歌詞では名指しで当時のニクソン大統領を批判している。憤怒に燃えるニールの形相が目に浮かぶような、熱く激しい演奏だ。彼を怒らせたら、誰も止められない。
デヴィッド・クロスビーは歌いながら泣いていたという。フェードアウトしていくエンディングでは彼の「4人!」「なぜ?」「あと何人?」という悲痛な叫びが記録されている。
ニール・ヤングはこの事件について、「おそらくアメリカの教育機関で学んだ最大の教訓」と語っている。痛烈な皮肉であり、極めて重い真実でもある。
(Goro)
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