⭐️⭐️⭐️
Stray
“Stray” (1970)
1970年6月にリリースされたストレイの1stアルバムである。
前回取り上げたフリーと同じく英ロンドンのバンドだが、しかしフリーよりさらに若い、平均年齢18歳の4人組のデビュー作である。
その年齢からは信じられないほど腕の立つ彼らは、地元のライヴ・シーンでは人気を博したものの、しかしレコードの方はあまり売れなかったらしい。
この1stアルバムもほとんど売れなかったが、しかし当時としてはかなり斬新なサウンドを奏でている、知る人ぞ知る名盤である。
基本的にはハード・ロックだが、10年早いヘヴィ・メタルの要素もあれば、プログレの要素もあり、若々しい勢いとアツさはパンク・ロックのようですらある。
【オリジナルLP収録曲】
SIDE A
1 All In Your Mind
2 Taking All The Good Things
3 Around The World In Eighty Days
4 Time Machine
SIDE BH
1 Only What You Can Make It
2 Yesterday’s Promises
3 Move On
4 In Reverse/Some Say
A1「All In Your Mind」は彼らの代表曲で、アイアン・メイデンがカバーしたことでも知られる。9分を超える長尺にも関わらず、人一倍長尺嫌いのわたしがまったく飽きずに9分間楽しめるのだからたいしたものだ。
それ以外の曲もバラエティに富んで楽しめるが、ガキっぽい合唱ヴォーカルは好みがわかれるのかもしれない。わたしはもともとパンク好きなのでこういう青臭さは好物でもあるが、本作が「ロック名盤ガイド」のような本やWebサイトで選ばれているところは見たことないので、それならわたしが選ばなくてどうする、という思いもあった選んだ。
彼らは商業的な成功を得ることなく1977年には解散したが、しかし21世紀になってなぜか復活し、なんと現在も活動を続けている。
↓ 9分を超える長尺の代表曲「All In Your Mind」。
↓ 若々しい勢いが嬉しい「Move On」。
(Goro)