
ビートルズがカバーした曲のオリジナルを発掘する企画の2回目は、1963年11月にリリースされた2ndアルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』に収録されたカバー、6曲のオリジナルを発掘してみます。
スー・レイニー
Sue Raney – Till There Was You
1950年にアメリカの作曲家メレディス・ウィルソンによって「Till I Met You」のタイトルで書かれ、アイリーン・ウィルソンがレコーディングした曲。
1957年にブロードウェイ・ミュージカル『ザ・ミュージック・マン』の劇中歌として使用され、ジャズ・シンガーのスー・レイニーが「Till There Was You」として初めてレコーディングした。
↓ ビートルズのカバーはポール・マッカートニーがリード・ヴォーカルを取っている。ポールは1961年に発表されたペギー・リーのカバーによってこの曲を知り、『ザ・ミュージック・マン』の劇中歌だったことは後年まで知らなかったという。
ザ・マーヴェレッツ
The Marvelettes – Please Mr. Postman
米ミシガン州の4人組のガールズ・グループ、ザ・マーヴェレッツのモータウンからのデビューシングルで、1961年8月にリリース、全米1位の大ヒットとなった。モータウンにとって、これが初めての全米ナンバーワンシングルだった。作者はウィリアム・ギャレットだが、様々な人によって手が加えられている。
↓ ビートルズのバージョンは、ジョン・レノンがリード・ヴォーカルを取っている。ビートルズはレコード・デビュー前の1962年3月にBBCラジオでもこの曲を演奏している。
メンバーは知らなかったが、これがモータウンの楽曲が初めてイギリスのラジオから流れた瞬間だった。
チャック・ベリー
Chuck Berry – Roll Over Beethoven
1956年5月にチェス・レコードからリリースされたチャック・ベリーのシングルで、作詞作曲ももちろんチャック・ベリー。全米29位まで上昇するヒットなった。
↓ ビートルズのカバーは、ジョージ・ハリスンがリード・ヴォーカルを取っている。日本でリリースされたシングル「ツイスト・アンド・シャウト」のB面にも収録された。
ザ・ミラクルズ
The Miracles – You Really Got A Hold On Me
1962年11月にモータウンからリリースされたザ・ミラクルズのシングルで、作者はリーダーのスモーキー・ロビンソン。同年5月に発表されたサム・クックの名曲「ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー」に影響を受けて書かれたという。全米8位の大ヒットとなった。
↓ ビートルズのカバーは、ジョン・レノンとジョージ・ハリスンがリード・ヴォーカルを取っている。
ザ・ドネイズ
The Donays – Devil in His Heart
デトロイト出身のR&Bガールズ・グループ、ドネイズが1962年8月にリリースしたデビュー・シングル「バッド・ボーイ」のB面に収録された曲。作者はリチャード・ドラプキン。チャート入りすることはなく、ドネイズはこのシングル1枚のみで解散した。
↓ ビートルズのカバーはタイトルの「ヒズ」を「ハー」に変え、ジョージ・ハリスンによって歌われている。
バレット・ストロング
Barrett Strong – Money
米ミシシッピ州出身のR&Bシンガー兼ソングライター、バレット・ストロングが1959年8月にモータウンの前身であるタムラ・レコードからリリースしたシングルで、全米23位まで上昇した。作者はベリー・ゴーディとジェイニー・ブラッドフォード。バレット・ストロングは、この1曲のおかげで生涯ラジオに出続けたと言われる、一発屋の元祖みたいな人だ。
↓ ビートルズのカバーは、本作を気に入っていたジョン・レノンがリード・ヴォーカルを取っている。ビートルズより2ヶ月遅れて64年1月には、ローリング・ストーンズもこの曲のカバーを含んだ4曲入りEPをリリースしている。
以上、ザ・ビートルズ『ウィズ・ザ・ビートルズ』に収録されているカバー・ソングのオリジナルの発掘でした。
次回は『フォー・セール』の予定です。乞うご期待。
(Goro)