【70年代ロックの名曲】
Patti Smith
Frederick (1979)
Patti Smith
Frederick (1979)
トッド・ラングレンをプロデューサーに迎えた4thアルバム『ウェイヴ(Wave)』のオープニング・トラック。
「フレデリック」とは、元MC5のギタリスト、フレッド・ソニック・スミスのことで、当時恋愛関係にあった彼への、熱い熱いラブレターのような歌詞だ。
音楽性もずいぶん明るく、ポップに変化している。これをパンク・ロックと言う人はたぶんいないだろう。恋というものは人を変え、パンクの女王さえ変えるものなのだ。
それでもパティ・スミスらしさが失われたとは思わない。本当の自分を知って、それも曝け出すことで、さらに人間的に成長したように思える。
フレデリックに出会う前は、パンクの女王でいることのハードなライフスタイルに疲弊して、精神的にあまり良い状態じゃなかったらしい。それを彼に救われたのだろう。
翌1980年、パティは彼と結婚して、ニューヨークからデトロイトに移り、専業主婦となって2児を出産し、およそ8年間音楽活動を休止する。
きっとパティにとって、その時期が人生最良の日々だったに違いない。