Joe Cocker
With a Little Help from My Friends (1968)
クソ暑いのである。
そんなときはいっそのこと激アツなやつを聴いて、大汗をかいてみるというの一興だ。真夏の炎天下でチゲ鍋を食べるみたいなことである。もちろん、キンキンに冷えたビールと共に。
イギリス人シンガー、ジョー・コッカーによる、ビートルズの『サージェント・ペパーズ』の2曲目、リンゴ・スターがリード・ヴォーカルを取っている「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」のカバーだ。
1968年10月にシングルリリースされ、全英1位の大ヒットとなった。ギターは当時スタジオ・ミュージシャンだったジミー・ペイジが弾いている。
1969年のウッドストック・フェスティヴァルにも出演し、彼がこの曲を全身全霊で歌う激アツパフォーマンスは、世界的に大ヒットした映画『ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間』のハイライトのひとつと言えるシーンとなり、一躍ジョー・コッカーの名を世界に轟かせることとなった。
実のところわたしは十代の頃、ビートルズの「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」と、ジョー・コッカーの「心の友」の両方を聴いていながら、邦題の違いもあってこの二つが結びつかなかった。カバーだと気づいたのは何年か後のことだった。
だって、全然違うんだもの。
ジョー・コッカーのカバーは、原曲のポップな爽やかさや愛らしさは微塵もなくなり、野獣のように咆哮する激甚ソウルフル・バージョンになっている。言われてみて、注意して聴いて、やっと原曲がわかるというレベルだ。
ウッドストックも8月だったけれど、暑い夏の日に聴くとさらに一層アツ苦しくなるが、熱帯夜に冷えたビールを飲みながら聴きたい名カバー・ソングだ。
思わずジャケ買いしたくなる、激アツなアートワークがまたいい。
↓ ザ・ビートルズのオリジナル。
(Goro)