Bob Dylan “Before the Flood”
大好きなライヴ盤で、聴き飽きるほど聴いたものだ。でもまだ聴き飽きない。
1974年のザ・バンドとのツアーのライヴ盤だが、ディランがライヴを行うことが8年ぶりのことであり、特に直近の3年間はレコードすら出していない隠遁生活の状況だったため、大きな話題となった。だから邦題も『偉大なる復活』というタイトルが付いたのだろう。ディラン32歳にして初めてのライヴ・アルバムのリリースでもある。
もう1曲目から驚かされるのが、ディランの異様な気合の漲り方だ。クールで斜に構えたようなディランのイメージとは真逆の、血管が切れそうなほどに咆哮する、燃えるようなディランが最後まで聴ける。「ライク・ア・ローリング・ストーン」なんてもう圧巻だ。もちろんバックのザ・バンドの演奏も素晴らしい。ディランと一体になって、負けず劣らずの熱量で聴かせる。
この数年間のひきこもり生活に自ら終止符を打ち、ついにやる気を出してあのアメリカン・ロックの頂点に立つロックスター「ボブ・ディラン」に戻ることに覚悟を決めたかのようだ。
全21曲中、ディランの曲が13曲、ザ・バンドの曲が8曲という構成になっている。どちらもベスト的な選曲で、もちろん好きな曲ばかりなのだけど、このライヴ盤ばかりは、ディランの激アツが過ぎて、ついついザ・バンド部分は飛ばして聴いてしまったものだ。
それぐらいディランの出来が素晴らしいということだ。
曲目は以下の通り。★はザ・バンドの曲。
Side A
1.我が道を行く
2.レイ・レディ・レイ
3.雨の日の女
4.天国への扉
5.悲しきベイブ
6.やせっぽちのバラッド
Side B
1.クリップル・クリーク★
2.アイ・シャル・ビー・リリースト★
3.エンドレス・ハイウェイ★
4.オールド・ディキシー・ダウン★
5.ステージ・フライト★
Side C
1.くよくよするなよ
2.女の如く
3.イッツ・オールライト・マ
4.ザ・シェイプ・アイム・イン★
5.ホエン・ユー・アウェイク★
6.ザ・ウェイト★
Side D
1.見張塔からずっと
2.追憶のハイウェイ61
3.ライク・ア・ローリング・ストーン
4.風に吹かれて
↓ オープニング「我が道を行く Most Likely You Go Your Way (And I’ll Go Mine) 」