レオン・ラッセル/ア・ソング・フォー・ユー (1970)【’70s Rock Masterpiece】

【70年代ロックの名曲】
Leon Russell
A Song For You (1970)

米オクラホマ州出身のシンガー・ソングライター、レオン・ラッセルが1970年5月にリリースしたデビュー・シングルだ。

このシングルはヒットしなかったが、アンディ・ウィリアムスやダニー・ハサウェイ、カーペンターズなどが次々とカバーし、いつしかレオン・ラッセルの代表曲として広く知られるようになっていった。

1stアルバム『レオン・ラッセル』の冒頭にも収録されている。わたしはたしか十代の終わり頃に初めて聴いたと思うのだけど、そのときはそれほど好きになれなかった。

まあたしかに子供にはわかりにくい音楽だ。

でも今やわたしもすっかり大人になって、なますやフキやあん肝の美味さもわかるようになり、レオン・ラッセルの良さもわかるようになってきた。

力強い歌声は胸に深くズンッと響くし、独特のクセが強い歌い方は野生味と繊細さを兼ね備えた味わいだ。

一見ディープで渋い音楽だけど、よく聴けばかなりポップでもある。
まあなにしろ独特の世界を持った人だと思う。

後にも先にもない、レオン・ラッセルという音楽。
まるで人里離れた山奥にひとりきりで住み、跡継ぎのいない一代限りの技術で独特の工芸品を作り続ける無形文化財のようだ。

↓ なますもフキもあん肝も美味さがわからんし、レオン・ラッセルなんてもっとわからんという若い方には、とりあえずカーペンターズのカバーをお薦めしよう。万人向けバージョンだ。

(Goro)

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