Kinks
Sunny Afternoon (1965)
ストーンズやザ・フーみたいな派手さやワイルドなカッコ良さには欠けるかもしれないけど、キンクスは愛おしいバンドだ。
キンクスのレイ・デイヴィスには、一度聴いただけで耳に残る、フック(つかみ)のある歌メロとユーモアにあふれた極上の名曲を書く才能がある。
また、「ユー・リアリー・ガット・ミー」のようなハード・ロックから、この曲のようなせつない系の英国ポップ、フォーク風やカントリー風、哀愁漂うバラードやソープ・オペラまで、引き出しが多く幅広い曲が書ける才能は、まるで専門の職業作曲家のようだ。要するに天才であり、ロック史に永遠にその名を残す名ソングライターだ。
1966年6月にリリースされたこの曲は、ビートルズの「ペーパーバック・ライター」を蹴落として、全英1位となり、全米でも14位まで上がるヒットとなった。
歌詞は、豪邸に住んでいる金持ちが税務署に財産を全部持っていかれ、やることがなくなり、ビールをのみながら午後の陽だまりでダラダラしながら、「あー、ラクして生きてー」って言ってる歌なのだそうだ。
わたしは、キンクスではこの曲が一番好きだな。
この曲をお手本にしたと思われるのが、1975年12月に日本で発売された「およげ!たいやきくん」だ。この曲は450万枚以上を売り上げ、シングルレコード売り上げの日本記録を未だに保持しているが、この莫大な作曲印税の半分くらいはレイ・デイヴィスが受け取ってもよかったのではないかと個人的には思うところだ。
(Goro)
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