Marvin Gaye & Tammi Terrell
Ain’t No Mountain High Enough (1967)
マーヴィン・ゲイが、同じモータウン所属の女性歌手タミー・テレルとデュエットした曲で、全米19位のヒットとなった。後に夫婦デュオとして活動したアシュフォード&シンプソンの作だ。
当時のモータウンはこうしたデュエット曲のヒットも多く、シュープリームス&テンプテーションズみたいにグループが合体して歌うことまであった。
中でもこのマーヴィン・ゲイは最も多くデュエット録音を残したが、その最良のデュエット・パートナーとされていたのがこのタミー・テレルであり、2人は3枚のアルバムをリリースした。この曲は1967年8月発表の最初のアルバム『ユナイテッド』のオープニングを飾っている。
しかしこのアルバムのリリースから3か月後、ヴァージニア州のハンプデン・シドニー大学での公演中にタミーは倒れてしまう。
マーヴィンに支えられステージを降りたタミーは、悪性の脳腫瘍に侵されていることが判明した。その後も病魔と闘いながら活動したが、3年後の1970年3月に24歳の若さで死去した。
タミーの死にショックを受けたマーヴィンは鬱病を発症し、薬物に依存するようになった。音楽活動も休止し、自らの音楽にも疑問を持ち始めるようになり、翌年にまったく新しい音楽性を実現した『ホワッツ・ゴーイン・オン』をリリースすることになる。
タミーの死から3か月後、シュープリームスを脱退したダイアナ・ロスがこの曲をカバーし、全米1位、全英6位の大ヒットとなった。
その後も多くのアーティストにカバーされ、永く愛されてた名曲だ。
↓ ダイアナ・ロスが1970年発表の1stソロ・アルバムでカバーしたバージョン。作者のアシュフォード&シンプソンのプロデュースで大幅なアレンジが加えられ、6分を超える大作となっている。シングル用に短縮されてリリースされ、全米1位の大ヒットとなった。
(Goro)