トム・ウェイツ/トム・トラバーツ・ブルース(1976)

【70年代ロックの名曲】
Tom Waits
Tom Traubert’s Blues (1976)

1976年のアルバム『スモール・チェンジ』のオープニング・ナンバーだ。

トム・ウェイツの代表曲で、いかにもトム・ウェイツらしい、彼の個性が存分に発揮されている曲だ。

トム・ウェイツってどんなアーティスト?って尋ねられたら、この曲を聴かせるのが手っ取り早いかもしれない。

きっと、息をのんで聴き入る人と、苦虫を噛みつぶした顔で拒否する人に分かれそうだ。

デビュー・アルバムの『クロージング・タイム』からわずか3年だが、そのあいだにいったいなにがあったんだろうと心配になるような声のつぶれ具合である。

いわゆる「悪声」ではあるけど、この美しい曲にこれ以上ふさわしい声はないと思えるから不思議なものだ。

日本ではなぜか、2009年のフジテレビのドラマ『不毛地帯』のエンディング曲に使われた。
なんでだろう、その前にやってた『白い巨塔』の「アメイジング・グレイス」みたいなイメージで使ったのかな。

だとしたらなかなかの選曲だと思う。

(Goro)