わかりやすいロックへ回帰 〜マニック・ストリート・プリーチャーズ『センド・アウェイ・ザ・タイガーズ』(2007)【わたしが選ぶ!ロック名盤500】#424

Send Away the Tigers

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【わたしが選ぶ!ロック名盤500】#424
Manic Street Preachers
“Send Away The Tigers” (2007)

2000年代に入って実験的なエレクトロ路線などへと向かい、やや迷走気味となったマニックスが初心に還り、彼らが最も得意とする、純粋ながら意匠を凝らした、メロディアスで力強いギターリフを持つ、わかりやすいロックへと回帰したアルバムだ。フロントマンのジェームス・ディーン・ブラッドフィールドも「これは俺たちにとってのカムバック・アルバムだ」と語っている。

この時点でデビューから16年が経ち、8枚目のアルバムにしてなおこれほど瑞々しい、熱い音楽を生み出していたのは驚異的なことだ。

ロック・バンドにありがちな「初期の頃がキャリアのピーク」ということはマニックスに関してはまったく当てはまらない。彼らは成長するにつれ、より広い層に共感と感動を与える、優れて純粋で生々しい「歌」を生み出してきた。大胆なソング・ライティングと「ダサくたってかまわない」というホントのカッコ良さを知っている、生まれながらのロック野郎たちだ。

本作は2007年5月にリリースされ、全英2位まで上昇する好セールスを記録した。

【オリジナルCD収録曲】

1 センド・アウェイ・ザ・タイガーズ
2 アンダードッグス
3 ユア・ラヴ・アローン・イズ・ノット・イナフ(feat.ニナ・パーソン)
4 インディアン・サマー
5 ザ・セカンド・グレイト・デプレッション
6 レンディッション
7 オータム・ソング
8 アイム・ジャスト・ア・パッツィ
9 インペリアル・ボディバッグス
10 ウィンターラヴァーズ

 

ベーシストのニッキー・ワイアーは本作のコンセプトを「ガンズ・アンド・ローゼズがビートルズの”All You Need Is Love”をカバーしたようなサウンド」を目指したと語っている。悪ガキハード・ロックとポップな愛の讃歌という、本来なら相容れないはずの要素を併せ持つ音楽性は、たしかにマニックスの真髄とも言えるだろう。

アラフォーとなったメンバーたちが、やけに若々しく、煌めくようなエネルギーを解き放って意気揚々と、自信に満ちた音楽を鳴らしている。

 

↓ シングル・カットされて全英2位のヒットとなった「ユア・ラヴ・アローン・イズ・ノット・イナフ」。共演しているのは、かつて日本でも「カーニバル」の大ヒットを飛ばしたザ・カーディガンズのヴォーカリスト、ニーナ・パーションだ。

↓ 泣きメロのギターリフがいかにもマニックスらしい「オータム・ソング」。ただしMVは、名曲にふさわしいとは言えない、あの頃のt.a.t.u.ぐらいやる気のないMVだ。

(Goro)