『レアリティーズ 1971-2003』(2005)
The Rolling Stones
過去にシングルのB面のみに収録されたアルバム未収録曲や、未発表トラックなどを集めたレア・トラック集である。
60年代のストーンズのシングルは、A・B面共に完全に網羅されたシングル・コレクションがあるし、さらには『メタモーフォシス』という傑作レア・トラック集もあるのだけれど、71年以降のローリング・ストーンズ・レコードからはそういう類のものが出ていないのである。
だからわたしもこの【ストーンズの60年を聴き倒す】の連載ではそういったアルバム未収録曲やレア・トラックをできる拾い上げて紹介するように務めてきたが、本作の製作者の方々にはわたし程度の情熱すらないようだ。
- Fancy Man Blues★
- Tumbling Dice (Live)
- Wild Horses (Live Stripped Version)
- Beast of Burden (Live)
- Anyway You Look at It★
- If I Was a Dancer (Dance Pt. 2)
- Miss You (12″ Version)
- Wish I’d Never Met You★
- I Just Wanna Make Love to You (Live)
- Mixed Emotions (12″ Version)
- Through The Lonely Nights★
- Live With Me (Live)
- Let It Rock (Live)★
- Harlem Shuffle (NY Mix)
- Mannish Boy (Live)
- Thru and Thru (Live)
オープニングを飾る素晴らしいシカゴ風ブルース「ファンシー・マン・ブルース」は、シングル「ミックスト・エモーションズ」のB面曲で、まさに期待通りのレアトラック集を手に入れた気分にさせてくれるのだが、その手のアルバム未収録B面曲はこれ以外には★印の5、8、11、13のみである。
『ストリップド』から漏れた「ダイスをころがせ」なんかはストーンズらしからぬ意表をつく編集なのでまあ許してもいいし、90年のライヴ「I Just Wanna Make Love to You」は初期の猛烈なスピードのカバーと違ってマディのオリジナルのテンポでやってるカッコいいやつなので歓迎するし、カッコいい「リヴ・ウィズ・ミー」もギリ許せるが、それ以外はクソ面白くもないリミックスや、どこが違うのかよくわからないアウトテイクや、レアでもなんでもない既出のライヴ・バージョンだったりする。
もっといくらでもあるでしょうが!アルバム未収録曲が!
と田中邦衛風に怒鳴りたくもなる。
なんとも中途半端で期待外れな内容で、とてもお薦めできるようなものではない。
ジャケットはかっこいいのに。
↓ 74年のシングル「イッツ・オンリー・ロックンロール」のB面に収録された佳曲「スルー・ザ・ロンリー・ナイツ」。
(Goro)