Bob Dylan “The Bootleg Series Vol. 9 – The Witmark Demos: 1962–1964”
ブートレッグ・シリーズ第9集は、初期のデモ音源集。CD2枚組、47曲というボリュームである。
デビュー当時のディランは複数の音楽出版社と契約していたりとややこしい状況だったらしいが、その詳細については割愛する。書くのも面倒だし、特に面白くもないので、
これはその、契約を破棄したほうの出版社に残っていたデモ音源を含む、1962年から64年頃の音源集だ。
だけどやっぱりわたしはデモ音源の楽しみかたはよくわからないので、まあディラン研究者やマニア向けのアルバムと言える。わたしはこれを楽しめる域にはまだまだ達していない。
それでもわたしも若い頃は、ストーンズのブートレッグなどを手に入れて、そこに収録されたアウトテイクの、本テイクとの些細な違いに興奮しながら聴いたりしていたものだけれど。
あの頃はまだレコード時代で、アウトテイクというもの自体がブートレッグぐらいでしか聴けず、ものめずらしかったのだ。
でもCD時代になって、アウトテイクはボーナス・トラックとして収録されることがあたりまえのようになり、めずらしいものでなくなり、そし興奮もしなくなった。
興奮しないどころか、わたしはどんどん嫌いになっていった。
アルバムの本編のあとに「日本独自」とオマケみたいに「Demo」だの「Altanative Mix」だのといった中途半端な音源が入ってるのが、なんだか完結したアルバム作品をぶち壊してくれてるようですごく嫌だったのだ。だからわたしはまったくと言っていいほどボーナス・トラックというものを聴かない。
まあそれに比べれば、ボーナス・トラックとしてではなくて、こうやってまとめて出してくれる方がまだいいな。まあ、興奮はやっぱりしなかったけれども。