凄絶にクールで恐ろしく完璧 〜ブロック・パーティー『サイレント・アラーム』(2005)【わたしが選ぶ!ロック名盤500】#412

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⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

【わたしが選ぶ!ロック名盤500】#412
Bloc Party
“Silent Alarm” (2005)

これは凄い。もう、のけぞるしかないな。

あえてドラムの音を大きめに録っているらしい、まずはこのやたらと手数が多いくせに正確無比でもあるドラム名人に耳が引っ張られる。そしてそのドラムにピッタリ並走する、強靭かつしなやかにうねるベースにシビれる。さらには空間を切り裂くように飛び交う2本のギターの凄まじさにもはたと気づく。

単にヴォーカルが歌うメロディを追って聴こうとすると根本的に聴きかたを間違うだろう。4人全員が主役のソリッドなアンサンブルがこのバンドの持ち味なのだ。大音量で聴くとよくわかるけれども、、全部の楽器がクリアに聴き分けられるような録音になっている。

本作は2005年2月に、ブロック・パーティーの1stアルバムとしてリリースされた。

【オリジナルCD収録曲】

1 ライク・イーティング・グラス
2 ヘリコプター
3 ポジティヴ・テンション
4 バンケット
5 ブルー・ライト
6 シーズ・ヒアリング・ヴォイシズ
7 ディス・モダン・ラヴ
8 ザ・パイオニアーズ
9 プライス・オブ・ガソリン
10 ソー・ヒア・ウィー・アー
11 ルノ
12 プランズ
13 コンプリメンツ

アルバムは全英3位まで上昇するヒットとなり、その年のNME誌の年間アルバム・ランキングで1位に選ばれている。

ハタチそこそこの連中なのにこの技術の高さ・完成度に驚かされるが、さらにはナイジェリア人の両親を持つヴォーカルのケリーは、いとこが人種差別主義者に殺害された経験を歌にしたり、当時のイラク戦争やブッシュ政権への風刺といった政治的・社会的メッセージから、友人の統合失調症や人間関係の断絶など、実存的な不安や無力感までを表現している。

緻密で硬質なサウンドはあくまでクールだけれども、若者特有のヒリヒリした焦燥感や情熱が迸るような、実はめちゃくちゃ熱い音楽なのだ。

彼らが世に出るきっかけになったのは、当時注目を集めていたフランツ・フェルディナンドに自分たちのデモテープを送り付けたことだった。フランツ側はそれを聴いて、彼らをツアーのオープニング・アクトに選んだのだけれども、きっとライヴに来た観客の1割ぐらいは、ブロック・パーティーを聴いてしまったために、フランツが急激に色褪せてしまったのではないかと想像する。

↓ バンドにとって最も売れたシングルとなり、彼らの知名度を世界規模に押し上げた「バンケット」。2本のギターの息の合った掛け合いが印象的だ。

↓ 超高速ビートで人間技とは思えない手数で叩き続ける狂気のドラムが牽引する「ヘリコプター」。イラク戦争とブッシュ政権下のアメリカの姿勢、それに追従するイギリスへの激しい怒りが歌われている。

(Goro)