親しみやすいダーク 〜エディターズ『アン・エンド・ハズ・ア・スタート』(2007)【わたしが選ぶ!ロック名盤500】#426

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【わたしが選ぶ!ロック名盤500】#426
Editors
“An End Has a Start” (2007)

わたしは70年代のパンク・ロックにハマった時期があったけれども、その後のポスト・パンクにはあまりハマらなかった。まだ若くて元気いっぱいだったわたしにはなんだか陰鬱すぎたし、なんだかガチすぎて怖い感じだったのだ。

しかし2000年代のポスト・パンク・リヴァイヴァルのときに遅まきながらその魅力に気づき、遡って本家のほうをあらためて聴いたりしたものだった。

本家のP.I.L.やらジョイ・ディヴィジョンやらキリング・ジョークやらバウハウスやらといったポスト・パンクのガチ勢と比べると2000年代のリヴァイヴァル連中のほうは、そこまで恐ろしげな感じでも攻撃的な感じでもなく、ちょうど良いシリアス感で、商業ベースに乗れるくらいには親しみやすい陰鬱さにリノベーションされていたように思う。

エディターズは2004年にデビューした英バーミンガム出身のバンドだ。彼らもまた、もろポスト・パンク・リヴァイヴァル系のバンドで、本作は2007年6月にリリースされた2ndアルバムである。

【オリジナルCD収録曲】

1 Smokers Outside The Hospital Doors
2 An End Has A Start
3 The Weight of The World
4 Bones
5 When Anger Shows
6 The Racing Rats
7 Push Your Head Towards The Air
8 Escape The Nest
9 Spiders
10 Well Word Hand

まず、声がいい。

まだ若いのにどんな辛苦をなめてきたのだろうと思わせるほど、哀愁と諦念が滲み出る低音ヴォイスがこのダークで陰鬱な世界観にぴったりだ。なんとなく、ウェディング・プレゼントなんかを思い出す。

しかし陰鬱でダークでありながらも、1曲目の希望に輝くような合唱や、2曲目のスピード感あふれるタイトル曲のキャッチーさなど、その感動的なメロディ、空間的広がりのある音響の荘厳さは、まるでいずれザ・キュアーのようなスタジアムを揺らすビッグ・バンドに化ける予感すら抱かせる。

1stアルバムはシングル・ヒットにも牽引されて、全英2位まで上昇したが、2ndの本作はそれをも上回り、いきなり全英1位を記録した。

 

↓ バンドのシングル・チャート最高位となる全英7位まで上昇したオープニング・トラック「Smokers Outside The Hospital Doors」。

↓ 全英27位まで上昇したタイトル曲「An End Has A Start」。何もできなさそうなモデルたちが踊ることすらできずにわちゃわちゃしてるのもいかにも80年代風。

(Goro)