
Manic Street Preachers
Autumnsong (2007)
マニックスの8枚目のアルバム『センド・アウェイ・ザ・タイガース』からのシングルで、全英10位のヒットとなった。
骨太でキャッチーなフレーズのギター、胸が熱くなるメロディ、そしてドラマチックなアレンジと、マニックスの真骨頂と言える。
そしてこの曲の歌詞は、初期のバンドの顔だった、リッチー・エドワーズへのメッセージのようにも聴こえる。
夜のように暗い目をして
顔を好きに塗りたくった
憎しみから生まれたような愛を纏い
破壊するために生まれ、創造するために生まれてきた毎年この季節になると、きみは自暴自棄になっちまった
オイ、髪を一体どうしちまったんだよ!この秋の歌を聴いたら
目を覚まして、また走り出してほしい
この秋の歌を聴いたら
最高の時はまだ来ていないと、思い出してほしい(written by James Dean Bradfield, Sean Moore and Nicky Wire)
「デビュー・アルバムで1位を獲って解散する」という前代未聞の解散宣言をして話題になっていたデビュー当初、雑誌記者に「本気なのか?」と訊かれて、自らの左腕に剃刀で「4REAL」と切りつけ、18針を縫う大怪我をした、マニックスのサイド・ギターと作詩、そしてバンドのイデオロギーを担当した、リッチー・エドワーズ。
結成当初は彼はバンドのメンバーではなく、他の3人とは幼なじみの間柄で、バンドのために運転手やローディーを務めていた。しかし、ギタリストがひとり抜けたために、替わりに加入することになったのだった。
しかしリッチーは、ドラッグやアルコール依存、鬱病、リストカットなど、精神的なトラブルが絶えず、更生施設にも入所もした。
そしてアメリカ・ツアーに向かう予定だった1995年2月1日、髪を突然スキンヘッドにしたリッチーは、ジェームスと共に宿泊していたロンドンのホテルから失踪し、行方がわからなくなってしまった。彼はホテルを朝7時にチェックアウトしており、彼の車は有料道路のセヴァーン・ブリッジの近くで見つかった。失踪後、世界各地から目撃情報が寄せられたものの、確かなものはなかった。
リッチーが戻らないため、他のメンバーは解散も検討したが、リッチーの家族からの懇願もあり、バンドは3人で続けることになった。そしてその後、マニックスはアルバム・シングル共に全英1位を獲得するなど、真に国民的バンドへと成長していった。
そして失踪から13年後の2008年11月23日、家族の申請により、リッチー・エドワーズの法的な死亡が認定された。
現在もリッチーの印税分は、彼の家族に支払われているそうだ。
ジェームスの思いのたけを叫ぶような熱い歌声を聴きながら、なにも内容がない手抜きMVの映像を見ていると、ついついリッチーのことを考えてしまう。
(Goro)