ザ・フー【名盤ベスト5】THE WHO Best 5 Albums

The Who: Hooligans im Anzug | DIE ZEIT

 

1965年にデビューした英国のバンド、ザ・フーは、1983年の解散までにスタジオ・アルバムを10枚しか残していない。その後、再結成して2枚リリースしているが、それを合わせても12枚。活動9年で解散したビートルズとほぼ同数であり、活動歴の長さからは極めて少ないと言える。

それだけに、時間をかけて作り込まれたものや、難産を極めたものなどもあり、その音楽性やサウンドは、1枚1枚がまったく違うと言っていいほどに異なっている。

そしてあらためて聴いてみれば、彼らの音楽には当時まだ誰もやっていなかった野心的な試みがあった。彼らはパンクの源流となり、ロック・オペラの創始者でもあり、唯一無二の個性を持つバンドとしてロックの歴史に多大な影響を与えることになった。

ここではそんなザ・フーのアルバムの中から、必聴の名盤ベスト5を選んでみたいと思う。

 

第5位 『セル・アウト』
“The Who Sell Out” (1967)

B0GY6YM535

1967年12月にリリースされた3rdアルバムで、当時実在した海賊ラジオ曲〈ラジオ・ロンドン〉の放送という設定で、曲間に本物のジングルや架空のCMを挟んだ、当時流行のコンセプト・アルバムだ。

シングル・カットされた「恋のマジック・アイ」は全米9位まで上昇する大ヒットとなり、アメリカで最も売れたシングルとなった。

 

第4位 『トミー』
“Tommy” (1969)

 B00ELAMR7E

1969年5月に2枚組LPでリリースされた4枚目のアルバム。史上初のロック・オペラという画期的な作品となった本作は世界中で評価され、セールスも全英2位、全米4位と、ザ・フーにとって初めての世界的なヒット作となり、大ブレイク作となった。

当時のライヴ・ツアーでは本作のほぼ全曲を演奏し、圧倒的な好評を博して、バンドが抱えていた負債も解消したという。1975年にはケン・ラッセル監督、ロジャー・ダルトリー主演で映画化もされた。

シングル・カットされた「ピンボールの魔術師」も全英4位、全米19位のヒットとなった。

第3位 『ライヴ・アット・リーズ』
“Live at Leeds” (1970)

B0H86CGBLZ

1970年5月にリリースされた、ザ・フーにとって初めてのライヴ・アルバム。その後もライヴ・アルバムはいろいろ出ているけれども、オリジナル・メンバーでのライヴ盤はこれだけである。

ザ・フーのスタジオ・アルバムとはまた全然違う一面を見せた、張り詰めた空気とバンドの集中力がビリビリと伝わってくるような、エッジの効いたハードな演奏だ。

オリジナル盤の収録曲は6曲のみだったが、2001年には13曲プラス『トミー』全曲を収録した完全版がCD2枚組でリリースされたが、厳選された6曲のオリジナル盤のほうが名盤と呼ぶに相応しい。

第2位 『フーズ・ネクスト』
“Who’s Next” (1971)

B0045FTQFG

『トミー』に続くロック・オペラ『ライフハウス』の制作が頓挫してしまい、ストーリー要素を除き、出来上がっていた楽曲の中から一部を選んでアルバムにしたのが、1971年8月にリリースされた本作である。全英1位、全米4位など世界的ヒットを記録した。・

そんな窮余の作とは思えないほどの名盤で、ザ・フー史上最も完成度の高い楽曲が並び、もしロック・オペラが完成していたら『トミー』以上のものになっていたことは間違いなかっただろうと思う。

第1位 『マイ・ジェネレーション』
“My Generation” (1965)

B0GY6K1NR5

完成度や熟練度の点では『フーズ・ネクスト』に比べる由もないが、しかし1stアルバムである本作の、瑞々しい感性による楽曲、はっちゃけた騒々しさ、新しい時代の到来を象徴する勢いと、どんな完成された作品も敵わない魅力に溢れている。

そして本作こそは、すべてのパンク・ロックの源流でもあるのだ。

 

ザ・フーらしく、上に挙げた5作品はすべてまったく性格の違うアルバムであり、人によって好き嫌いがわかれることだろうと思う。入門用なら上位3つがおすすめ、さらにディープなザ・フーを聴きたければ4位・5位が楽しめると思う。

またザ・フーにはアルバム未収録のシングルのヒット曲・名曲も多いので、シングル集『ザ・シングルズ+10』なども必聴だ。

(Goro)

コメント

  1. アイアイ♪ より:

    ふむふむ、なるほど。
    記事があがるのを楽しみに待っていましたよ~!
    「トミー」以外は全て持っていますが、多分、これは今後も買わないと思います(笑)。
    次に買おうと計画しているのは「四重人格」と「ザ・フー・バイ・ナンバーズ」ですね。
    ザ・フーで初めて買ったのは大学生の時の「セル・アウト」だったのですが、実は高校生の時にバイ・ナンバーズを買おうとしたところ(それしか在庫が無かった)、店員に、これはザ・フーらしくないからやめた方がいいと止められた過去がありまして。
    あの頃はまだ素直だったナア・・・

    • Goro より:

      おっ、これは奇遇。

      わたしも最初に買ったザ・フーのCDは『セル・アウト』でした。なぜだったかは憶えてないけれども、十代の頃はお金がなくて中古CDショップを主に利用していたから、たまたまあったというだけかもしれません。でも気に入りました。

      『四重人格』はわたしにとっては6番目の位置付けなのでランキングからは外れましたが、映画は好きでした。スティングが良かったですね。

      • アイアイ♪ より:

        あの映画は僕も大好きなのですが、自分が「師匠」と位置付けている知人の英国人がエキストラで参加しています。
        嫌がる本人を連れてきて、友人たちと鑑賞しながら無理矢理教えてもらったのは、スクーターの不調を道端で修理しているときにモッズのカップルを襲い、女の子を羽交い絞めにするロッカーズの役だったという事実(笑)。
        あと、「街の若い奴らにバイク乗ってこい!と集めて作った低予算の映画だから、60年代の話なのに70年代のバイクが混じっていて面白いぞ」などという裏話も教えてくれて面白かったですね。

        • Goro より:

          あはは、そりゃフィクションとはいえあんまり注目されたくない役柄でしたね、

          バイクの話は、日本で言うと、実際の暴走族の集会に行ってエキストラを集めた『狂い咲きサンダーロード』と同じ手法ですね(笑)