A) マザー・イン・ザ・シャドウ
B) フーズ・ドライヴィング・ユア・プレーン
B) Who’s Driving Your Plane?
The Rolling Stones Single 1966
この曲がお好きな方には誠に申し訳ないが、以下は不愉快な気分にさせる恐れがあるので、読まずにここでやめられるほうが賢明かと思う。
わたしはこの曲が好きではない。はっきり言って、嫌いだ。
聴きすぎて飽きてしまったとかそういうことではない。もう、初めて聴いた時から「なんだよ、これ」と思っていた。
正直に言おう。ストーンズの全シングルの中で、わたしはこの曲が一番嫌いだ。
とは言え、理由を説明しようにも、こういうのは何か明確な理由や理屈があるわけではない。
その昔、ビートルズの熱狂的なファンという女の子を知っていたけれど、その子はビートルズは全部好きなのに「Nowhere Man」だけ大嫌いと言い、理由を訊いても「わからん。なんとなく、大嫌い」と言っていたものだ。それと同じようなことかもしれない。所謂、「生理的にダメなやつ」なのかもしれない。
wikiの解説では「サイケデリック・ムーヴメントに影響を受けたとされる混沌としたアレンジ・ミックスが特徴」などとされているし、ミック・ジャガーは「究極の幻覚症状」と述べているそうだが、別にサイケだから悪いというわけではない。
たしかに、あのとって付けたようなサイケ風のイントロとアウトロは、これのいったいなにがいい? と思わなくもない。
でも、それよりも本編だ。
なんだか安っぽいアイドル歌謡みたいだ。何をそんなにはしゃいでるのだろう、と思ってしまう。要するに、幼稚でバカみたいに聞こえるという。ああ、言ってしまった。
そのうえ派手なブラスセクションがまたイライラさせる。
ポップでキャッチーでサイケでブラスだ。
ストーンズの迷走がいよいよ本格的に始まった気がする。
そっちじゃない。
そんなのはビートルズにでも任せておけばいいんだ、とでも言いたくなってしまう。
それまでおよそ2年間、全英チャートの1位を獲り続けてきたのに、ここへ来て全英5位、全米9位とチャート・アクションにも翳りが見えてきた。きっとわたしと同じように首を傾げたファンがやっぱりいたのだろう。
そうなるとB面の「フーズ・ドライヴィング・ユア・プレーン」はコッテコテの照り焼きみたいなブルース仕様で、こっちのほうがストーンズらしくてずっと良いと思えてくる。
ミックは悪魔が乗り移ったみたいだし、『メインストリートのならず者』の隅っこのほうに入っていてもおかしくないような曲だ。
まあそれにしても今回の記事、好きな人、そして作った人、演奏してる人たちには心から、ごめんなさい、と言っておこう。だって、ウソは書けないから、仕方がないのです。
ちなみに、ジャケは嫌いじゃないんだけどなあ。。
ストーンズが60年代にリリースしたシングルはこの『シングル・コレクション:ザ・ロンドン・イヤーズ』で、年代順にA面・B面ともすべて聴くことができる。ストーンズ・ファン必携のアルバムだ。
(Goro)