The Clash
Rudie Can’t Fail (1979)
1979年にリリースされた、ロック史上の十指に入る名盤『ロンドン・コーリング』の収録曲で、クラッシュのドキュメンタリー映画『ルード・ボーイ』のエンディング曲でもある。
“ルーディ”とはジャマイカのスラングで、不良少年のことをさす”ルード・ボーイ”を縮めたものだ。
映画は、ポルノショップの店員をしているひとりの”ルード・ボーイ”がその最低な生活から抜け出してザ・クラッシュのローディになろうとする物語だ。
クラッシュのメンバーが本人役で出ていて、彼らの実際のライヴ映像やレコーディングの様子などもたっぷり盛り込まれ、どちらかというとそれがメインみたいな映画だ。
映画としては正直あまり良い出来ではないのかもしれないけれども、当時のクラッシュの姿をフィルムに永遠に焼き付けただけでも価値があったし、主人公の若者の、最低な生活から脱け出したい焦燥感、そしてやがて知ることになる挫折感や徒労感もいつのまにかしっかり伝わってきて、考えてみたら主人公とそんなに変わらない状況にいた当時のわが身のことのような気持になって身につまされたものだ。
途中までは「出来の悪い映画だなあ」なんて思って観ていたくせに、エンディングでこの曲が流れる頃にはすっかり主人公に感情移入していて、あのクラッシュにやさしい言葉で応援されているように思えて、なんだか熱いものが込み上げてきた。
やつらは言うんだ
朝からビールを飲んでるような
非常識で無気力なヤツなんかに用はないまずその性格を直して、新聞で職を探せ
おまえにはだれか忠告してくれる人が必要だおれは一生をサービスのために捧げるつもりはないけど
だからって自分がなにをすればいいのかわからないんだしくじるなよ、ルーディ
ルーディたちは失敗できないんだから
(written by Joe Strummer, Mick Jones)
いつの間にか、『ロンドン・コーリング』の中でもいちばん好きな曲になっていた。
終わりそうで終わらない、何度も繰り返される最後のリフレインを聴いていると、また熱い気持ちが込み上げてくる。
(Goro)
コメント
毎度で恐縮です。
ワタクシもアルバム中ではこの曲が最も好きです。グッときます。
で、昔々、我が家でオスの黒い犬を飼うことになった時、
当然ながら名前を決めることが必要になり、
その折に「ルーディ」を推したのですが家族から反対されまして。
結果ついた名前が「クロベエ」。
チェッカーズかよ、というオチでございます。
そんなことを思いだしました。
毎度ありがとうございます。
アイアイ♪さんもこの曲が一番好きですか!
とことん趣味が似てますね(笑)
「ルーディ」って良い名前ですけどね。
やっぱり犬の名前は、意味よりも呼びやすさが一番(笑)
ちなみにうちの犬の名前は呼びやすさで決めた「春」です。