米ミシガン州デトロイトに1960年に設立されたモータウン・レコードは、R&B、ソウル・ミュージックを中心としたレーベルとして、斬新なサウンドで60年代にヒット曲を連発し、ポップスやロックの発展に大きな影響を与えた。
そのモータウン・レコードの契約第1号となったグループが、スモーキー・ロビンソン率いるザ・ミラクルズだった。
後に彼らはシュープリームス、テンプテーションズ、フォー・トップスらと並んで「モータウン4大グループ」と呼ばれたが、スモーキー・ロビンソンはミラクルズのみならず他のアーティストたちの曲も書き、メアリー・ウェルズの「マイ・ガイ」や、テンプテーションズの「マイ・ガール」など、ヒット曲を量産し、初期のモータウンの屋台骨を支えた。
わたしは歌詞はよくわからないが、ボブ・ディランがスモーキー・ロビンソンを「現代のアメリカにおける最高の詩人」と賞賛したほどだ。ノーベル文学賞さんが言うのだから間違いないのだろう。
60年代にロマンティックなラヴ・ソングやダンス・ナンバーで数々のヒットを放った後、スモーキー・ロビンソンは1972年にミラクルズを離れてソロとして活動し、ミラクルズもそのまま活動を続け、いくつかのヒットを生んだ。
以下はわたしがお薦めする、最初に聴くべきスモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズの至極の名曲5選です。
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スモーキー・ロビンソンと、モータウン・レコードの創業者ベリー・ゴーディによって書かれた曲。
全米2位のミリオン・セラーとなり、ミラクルズの大ブレイク作となった。モータウン・レコードにとっても初めてのミリオン・セラー・レコードだった。
また、キャプテン&テニールによるカバーも1976年に全米4位のヒットとなっている。
You’ve Really Got a Hold on Me
全米8位のヒットとなり、2作目のミリオン・セラーとなったシングル。
スモーキー・ロビンソンが、当時ヒットしていたサム・クックの「ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー」に影響を受けて書いたそうだ。そういえばそんな曲調だな。
『ウィズ・ザ・ビートルズ』に収録された、ビートルズによるカバーによってさらに広く知られることになった。そのせいもあって、ミラクルズの曲では最も多くカバーされた曲でもある。
The Tracks of My Tears
全米16位のヒットとなったシングルで、彼らの代表曲となっている。わたしはミラクルズではこの曲がいちばん好きだ。
2021年の米ローリング・ストーン誌の記事《最も偉大なモータウン・ソング100》において第1位に選ばれている。
Going to a Go-Go
全米11位のヒットとなった、ミラクルズのダンス・チューンの代表作。特徴のあるワイルドなビートとギターの絡みがカッコいい。
「ゴー・ゴー」とは当時流行のダンスで、日本でも大ブームを巻き起こした。若者たちが集まって踊った「ゴー・ゴー・クラブ」や「ゴー・ゴー喫茶」は、現在の「クラブ」の最初の形態だ。
ローリング・ストーンズが1981年のアメリカ・ツアーでカバーを披露し、シングルとしてもリリースした。
The Tears of a Clown
1967年のアルバム『メイク・イット・ハップン(Make It Happen)』に収録された曲で、スモーキー・ロビンソン、スティーヴィー・ワンダー(当時17歳!)、ハンク・コスビーによる共作。
モータウン・ファンクラブのイギリス代表だった女性の薦めで1970年にシングル・カットされると全英1位の大ヒットとなり、その後本国アメリカでも火が付き、ミラクルズにとって初めてかつ唯一の全米1位を獲得する、ミラクルズ最大のヒット曲となった。
R&Bやソウルの枠を超えてミラクルズが辿り着いた、洗練とポップの極みのような作品だ。
入門用にアルバムを最初に聴くなら、やはりベスト盤がお薦め。下のアルバムはここで選んだ5曲も含め、最初に聴くべき代表曲はすべて網羅されています。
(Goro)