ランDMC&エアロスミス/ウォーク・ジス・ウェイ (1986)

Walk this way / walk this way (instrumental) - Run Dmc / Aerosmith - ( 7'' (SP) ) - セラー: corcyhouse - Id:114338959

【コラボの快楽】
Run-DMC and Aerosmith
Walk This Way (1986)

当時、1stアルバムがミリオン・セラーを記録するなど大ブレイク中だったニューヨークのヒップ・ホップ・グループ、ランDMCによる、エアロスミスの1975年のヒット曲のカバーだ。

もともとはあの有名なリフの部分をループさせてラップを乗せるつもりだったそうだが、名プロデューサー、リック・ルービンのアイデアで、ラップを乗せるのではなく、オリジナルの歌詞でそのままカバーし、さらにエアロスミスの2人、スティーヴン・タイラーとジョー・ペリーにもレコーディングに参加してもらうことになったのだという。

エアロスミスは70年代の後半からドラッグなどの影響でバンドが崩壊し、メンバーの脱退や復帰などを繰り返しながらすでに10年近い低迷期を過ごし、復活を模索していた。

このとき22歳だった若いランDMCのメンバーたちも実はエアロスミスのことをよく知らなかったらしい。

当時の若いリスナーには、人気絶頂のランDMCが、落ちぶれてすでに過去の人となっていた往年のロックバンドを引っ張り出してきた、と映っていたに違いない。

しかしこのコラボは結果的に、ロックとヒップ・ホップを初めて融合させた歴史的な共演となり、シングルは全米4位の大ヒットとなった。

エアロスミスのスティーヴン・タイラーとジョー・ペリーは、文字通り「ロックとヒップ・ホップの壁を壊す」演出のPVにも出演した。

わたしは当時、深夜の洋楽番組でこのPVを見て、「おー! エアロスミスが出てる!」と盛り上がったものだった。きっとわたしの世代のロック好きの多くは同じ想いだったにちがいない。70年代のエアロスミスは日本でも人気があったが、もうすっかり消えてしまったバンドだったからだ。

また、このランDMCがわたしにとって最初に知ったヒップ・ホップ・グループでもあった。「これがラップっつーもんか!」と思ったものだ。これもたぶん、われわれの世代にはそんな人が多いと思う。これはこのコラボ・シングルの大きな功績だ。

そしてこのコラボの大成功をきっかけに、エアロスミスはあらためて存在感を示し、そして奇跡の復活劇が始まったのである。

(Goro)

コメント

  1. G‐大将 より:

    やっとコメント出来る曲が来た!goroの部屋で何度か観た、懐かしーい!毎週月曜に訪ねていたのだが何度もと言うと毎週毎週オンエアされていたのだな。80年代も半ばを過ぎると俺の興味を引くバンドは日に日に減少の一途を辿り俺のロックは死に耐える寸前であった。そんな矢先にこのウォークジスウェイがリリースされて俺の魂を目覚めさした。この後のエアロスミスの復活劇は今更語る必要も無いだろう。

    • Goro より:

      常日頃から「アメリカのバンドは、エアロスミス意外は認めない!」と喝破するG-大将らしいコメントをありがとうございます。

      たしかに見てたねえ、あれはなんの番組だっけな。ベストヒットUSAなのかな? それにしては小林克也の印象はないな。
      どこかのゴミ捨て場で拾ってきた、20インチぐらいの小さなブラウン管のTVで見てたな。

      アメリカのバンドはエアロスミスしか認めないのはいかにも極端主義のG-大将らしいけど、あと、イギリスのバンドもほぼストーンズしか認めてないような気もするな。。