ロッド・スチュワート/トム・トラバーツ・ブルース (1993)

Tom Traubert's Blues - Wikipedia

【カバーの快楽】
Rod Stewart
Tom Traubert’s Blues (Waltzing Matilda) (1993)

原曲はトム・ウェイツの1976年のアルバム『スモール・チェンジ』に収録された、トム・ウェイツの代表曲のひとつだ。

サビの部分で繰り返される「ウォーツィング・マチルダ(Waltzing Matilda)」という言葉は、オーストラリアの同名の古い歌から引用したもので、「毛布の束を纏ってさまよい歩く」という意味なのだそうだ。

飢えた労働者が農場主の羊を食べてしまい、残りの肉を頭陀袋に入れて「誰か一緒にウォーツィング・マチルダするやつはいないか?」と歌いかける。

彼はやがて警官に追いつめられ、沼へと飛び込んで自殺した。その後、その沼からは彼の「誰か一緒にウォーツィング・マチルダするやつはいないか?」という歌声が聞こえるようになったという、そんな哀しい歌だ。トム・ウェイツはこの一節を引用したことについて、「放浪の旅のメタファーだ」とインタビューで発言している。

ロッド・スチュワートによるカバーは1992年にシングルとしてリリースされ、全英6位のヒットとなった。

このロッドのカバーについてトム・ウェイツは「誰にもカバーできない曲を書いたつもりだったんだけどな」と語ったそうだ。

まさに英米しゃがれ声対決。

哀愁と気品を感じるロッドのしゃがれ声と、肉体労働者のどん底生活を感じるトムのしゃがれ声。どっちが好きか、好みがわかれるところだ。

この3年前にもロッドは、トム・ウェイツの「ダウンタウン・トレイン」をカバーして全英10位、全米3位と大ヒットさせている。

当時トム・ウェイツは「おかげで家の裏庭に子供用のプールを造れたよ」と話していたそうだが、この連続ヒットでもしかすると大人用のプールも造れたのかもしれない。

Rod Stewart – Tom Traubert's Blues (Waltzing Matilda) (Official Video)

↓ トム・ウェイツのオリジナル。日本では2009年のフジテレビのドラマ『不毛地帯』のエンディングテーマにも使用された。

Tom Waits – "Tom Traubert's Blues (Four Sheets To The Wind In Copenhagen)"

(Goro)