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Oasis
“Definitely Maybe” (1994)
オアシスを初めて聴いたのは、1994年4月にリリースされたデビュー・シングル「スーパーソニック」だった。
「とうとう来たな」と、わたしはそのとき思ったものだった。
ストーン・ローゼスのマッドチェスターに始まり、シューゲイザーで盛り上がった90年代英国ロックの総まとめみたいなのが、大トリで出てきたような印象だったのだ。
オアシスが別格だったのは、ノエル・ギャラガーによるそのソングライティングのレベルの高さだった。それまで夢中になって聴いていた英国のインディー系バンドたちのCDが、急速に色褪せていくように感じられるほどだった。
ロックなんていうものはたとえ「歌メロ」がテキトーであっても、ギターのリフとベースラインとビートがあればそれなりに「曲」になるものだ。
だから「曲」が書けるアーティストやバンドはいくらでもいるのだが、しかし「歌メロ」を書けるアーティストやバンドとなると、ほんのひと握りしかいないのが現実だ。
その意味で、90年代ロックでは歌メロが書けたソングライターの米国代表がカート・コバーン、英国代表がノエル・ギャラガーだった。だからニルヴァーナとオアシスは日本でも別格的な人気がある。
日本人はやっぱり「歌」が好きなのだ。きっと歌謡曲やJ-POPがそのDNAに染み込んでいるのだろう。わたしにももちろん、しっかりと染み込んでいる。
本作はオアシスの1stアルバムで、1994年8月にリリースされた。カッコ内は全英シングルチャートの順位だ。
【オリジナルCD収録曲】
1 Rock ‘n’ Roll Star
2 Shakermaker (11位)
3 Live Forever (10位)
4 Up In The Sky
5 Columbia
6 Supersonic (31位)
7 Bring It On Down
8 Cigarettes & Alcohol (7位)
9 Digsy’s Diner
10 Slide Away
11 Married With Children
ここには60年代のブリティッシュ・ビートやサイケデリック・ロック、70年代のグラム・ロックにパンク・ロック、80年代のニュー・ウェイヴからインディ・ロックまで、英国ロックの博覧会のように、あらゆる要素が詰まっていた。
「スーパーソニック」を初めて聴いたときに思った「90年代英国ロックの総まとめ」どころではない、全時代の英国ロックの総まとめみたいなアルバムだった。
英国オリジナル盤は11曲の収録である。3と6は初期の代表曲だが、それ以外でわたしが好きなのは、ノエル・ギャラガーの作曲の才能にあらためて感心させられた10、11、そしてT.レックスのリフを丸ごとパクった8も楽しい。ちなみに日本国内盤にはボーナス・トラックが2曲追加され、全13曲で発売された。
アルバムは全英1位を獲得し、全世界で1,500万枚を売り上げた。
完成度やソングライティングのさらなる成長は1年後の2ndに譲るが、この1stからは、初期衝動の荒っぽいエネルギーと英国ロックへの愛と憧憬が雪崩落ちてくるようだ。
これほど、才能の素晴らしい輝きと無邪気でヤンチャな暴れっぷりが同居したロック・アルバムも滅多にないだろう。
↓ デビュー・シングル「スーパーソニック」。これを初めて聴いたときの衝撃と歓喜は忘れられない。
↓ 全英10位のヒットとなった初期の代表曲「リヴ・フォーエヴァー」。
(Goro)
![Definitely Maybe (Remastered) (Vinyl) [Analog]](https://m.media-amazon.com/images/I/51nbkkwjRGL._SL500_.jpg)
