マシュー・スウィート／ガールフレンド (1991)

マシュー・スウィートは米ネブラスカ出身の、1986年にデビューしたシンガー・ソングライターだ。この曲は1991年10月にリリースされた3rdアルバム『ガールフレンド』からのシングルで、米オルタナ・チャートの4位まで上昇するなど、ブレイク作となった。

日本でもこの曲で一気に知名度を上げたが、その大きな要因には、この曲のMVで日本のアニメ『コブラ』の映像を使用したことで話題になったこともあっただろう。

別になにかタイアップしていたとかいうわけではなく、単にマシュー・スウィートが『コブラ』の大ファンだったからに過ぎない。

彼の日本のアニメ好きは当時から有名で、肩には『うる星やつら』のラムちゃんのタトゥーを入れていたし、この次のシングルのMVにはその『うる星やつら』の映像も使われていた。今から33年前のことだ。クール・ジャパンにハマる欧米人の先駆けだったのだ。

ポップなメロディと歪んだギターの組み合わせ、こういう甘辛ロックは〈パワー・ポップ〉と呼ばれた。一説にはピート・タウンゼントがザ・フーの音楽をそう表現したものを拝借して、使われるようになったとも言われているが、主に70年代のバッドフィンガーやビッグ・スター、ラズベリーズやチープ・トリックなどがそう評されたものだった。

マシュー・スウィートやその弟子筋のヴェルヴェット・クラッシュなどがそのパワー・ポップを90年代にアメリカで復活させると、新たな流れが生まれ、その後のウィーザーなどへとバトンが渡されていく。

（Goro）